エピソード21
翌朝起きると、
プーマが俺に、紙切れを差し出した。
汚い文字で、なにやら数字がたくさん書かれている。
見積書であるらしい。
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材木 × 200 1000ドル
文房具 300ドル
人件費(10人分) 3000ドル
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などと、けっこう詳しく箇条書きにされている。
総額は75万円ほどだった。
おお、安いじゃないか!
250万は覚悟していたので、ずいぶん拍子抜けした。
俺は、この見積もりでOKを出した。
ペンでサインをし、拇印を押した。
その日の午後、プーマと一緒にナンの町へ出た。
お金を下ろし、支払いを済ませるためだ。
またあの地獄のトレッキングかと青ざめたが、
プーマの使っている抜け道は、もっと楽だった。
最初は険しいが、途中からはバイクで走れるのだ。
彼は、こうしてバイクを活用し、あちこちを行き来しているらしい。
他の村にも大勢知り合いがいるし、学校建設に立ち会ったこともあるらしい。
プーマは、俺からの資金で懐が潤うと、
ナンの商店でたくさんの食材を買い込んだ。
そして、食卓は更に豪勢になった。