top of page

『守護天使 -愛と奉仕の物語-』

エピソード9

ワガママ放題の人生でも、

それなりには、知識や社会常識が身につきます。

エリザベスを終えた後の私は、

ピンクのオーラにくわえ、少しのイエロー・オーラを身に着けました。

イエローのオーラは、知性を表します。



ピンクに少しのイエローを携え、

私は再び、中世ヨーロッパの貴族家庭に生れ落ちます。

フランスの、華の都・パリでした。

当時のパリは、21世紀の現代以上に、ゴージャスを誇っていました。

市内全土が、六本木であったようなものです。


私のイエローのオーラは、

知性というよりも、「ずる賢さ」といった方法で発揮されます。

同じようにずる賢い男性とタッグを組み、大衆を騙すような事業をします。

サウジアラビアから貴石を安値で仕入れてきて、

それを金持ち貴族相手に、途方もない高値で売りさばくのです。


誰かを騙しては他の誰かに騙され、

悔しくてまた騙しては、また誰かに騙され…

そのような、破滅的な人生でした。

最終的には、破産し、多額の借金を背負い、返しきれなくなって、

性奴隷として人身売買されました。サウジアラビアの干からびた地に。

あまり、思い返したくはありません。


アンナとして生きた私は、

エリザベスとして生きた私以上に、強欲で快楽的な人生だったと言えます。

そしてその分、破滅的でもありました。

今になって思えば、とても恥ずかしくて屈辱的ですが、

そのような人生経験にもまた、意味があるのです。



ちなみに、

地球時系列的に言うならば、

エリザベスとしての人生よりも、アンナとしての人生のほうが、

前の時代になります。

タッ君と共に生きた生は、さらにもっと後のことです。1900年代の中盤ですから。

こうした時間感覚は、人間の皆さんには理解が難しいかと思われます。


『守護天使 -愛と奉仕の物語-』

bottom of page