エピソード5
白くて清潔な廊下を歩きながら、早速、質問をしました。
「ここは、病院とは違うんですか?研究施設なの?」
「えぇ。大病院と同等の設備も持っていますよ。
日本の最新のやつがあります。
しかし、それを病気治療に使うことは、ほとんどありませんね。
日本の最新機器は、治療というよりも、
測定のために使われていますね。あとは、緊急時だけです。」
「測定?」
「そうです。
東洋医療にどれほど効果があるか、
それを、科学的に分析するんです。
東洋医療は確かに効果を持ちますが、
かといって、気休めの域を超えない施術や薬も、多いですね。ははは。
そういうのを、改めて検証し直すんです。
盲信もせず、懐疑もせず、フラットな視点で検証するんです。
盲信も懐疑もしない機関は、案外少ないですよ。
どこもみんな、自分の携わってる医療を売り込みたいんですよ。だから誇張が多い。
または、そういうのを逆に叩きたいんです。これも、誇張が多い。ははは。」
「うん。わかる気がします。」
陽菜も、そういう人たちをたくさん見てきた。
「そう。
医療はね、お金儲けを目的にしないほうが良いし、
名声欲のある人も、向きませんね。ははは。」
話してる間に、 大きなホールにたどり着きました。
『碧い鳥 -最高の医療は何だ?-』