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エピソード10

翌朝は、6時には起きて、早々に宿を出た。


…出るときに、

ネタになりそうなアクシデントがあった!

僕、滞在期間中は、

部屋にカギを掛けなかったんだけどさ?

チェックアウトの際、何をカンチガイしたのか、

カギを掛けてから出ようとしちゃったんだよ。

で、その、「余計なお世話」なカギ掛けをしたら、

バキ!!

…カギが折れちゃったんだよ…(笑)

モチロン、

大したチカラなんか、込めてナイんだよ?

僕はいっつも、おしとやかに振舞う人間だもの。



まぁ、発展途上国の安宿なんて、建物が古くて、

シャワーやベッドが壊れてることは、しょっちゅうさ。

かと言って、

シャワーのお湯が出ないからって、

修理代を請求されることは、ナイよ?

なのにさぁ、

「カギ、壊れちゃったよ」

って、宿のあんちゃんに持ってったら、

昨日まであんなに、フレンドリーにニコニコしてたのに、

急にシリアスな顔して、「15ドル!」って言うんだよ!!

「ソフトに回しただけだぜ!?」

なんて弁明したってムダでさぁ、

「何々をどうこうするのに10ドル掛かって、ナンチャラカンチャラ…!!」

って、難しい英語を、ベラベラとまくし立ててくんのさ!!

ヤツらに話し合いなんてモンは通用しないし、

パスポート番号は押さえられてるから、

「あーハイハイ!!」

って、15ドル突きつけて、さっさと出てきちゃったよ。


…でも、

旅ってのはキミョウなモンでさぁ、

そうして僕の出発が5分遅れたことが、

その後の展開を、大きく左右するのさ…!!


僕は、

西方砂漠へのツアーが出ているバフレイヤの町に行くために、

まずは、メトロに乗ったんだ。

そしたら、ホームで偶然、

昨日喋ってた2人の女の子たちに、出会ったんだよ!

メトロなんて、5分おきにどんどん来るから、

もし僕が5分前に来てたら、彼女たちにも出会ってなかったさ。

一緒にメトロに乗って、

それから長距離バスに乗り換えて、

色々とお喋りしながら、バフレイヤに向かったんだよ♪


僕は、バフレイヤに着いてからどの宿に泊まるか、

どのツアー会社で砂漠放浪をするか、

ぜーんぜん、決めてなかったんだ。

決めなくても、なんとでもなると思ってたからなんだけどさ、

今日、このまま砂漠ツアーに参加するのであれば、

現地に着いてからちんたら宿探しとかやってたんじゃぁ間に合わないってことが、

解ったんだよ(笑)

幸いにも彼女たちは、

「綿密に計画を練るタイプ」のバックパッカーだったから、

ツアー会社もばっちりリサーチ済みだったよ。

彼女たちが目をつけたのは、

小さな宿が経営する、小さなツアー会社でさ、

僕の感性にもピッタリだったよ♪



12時くらいに、バフレイヤの町に到着した。

バス停からは歩いて、その宿・兼・ツアー会社に赴いた。

平屋の母屋と幾つかの宿泊室があって、

イキな中庭を持っていたよ♪

僕らは、中庭で涼風を浴びながら休憩して、

それからツアーの説明を受けた。


彼女たちは、

ジープで砂漠を疾走し、幾つかの名所を巡って、砂漠で一泊して帰ってくる、

「標準的な一泊ツアー」を望んでいた。

でも、僕は、

砂漠をラクダで歩きたかった!!

それも、

2泊3日くらい掛けて、蜃気楼かマボロシを垣間見るまで、

灼熱砂漠をさすらうようなのを、経験したかったんだ(笑)


そういうプランも不可能ではナイらしいのだけど、

「このバフレイヤの町に、

 そういう砂漠ツアーを望む旅行者が他には存在してナイから、

 マンツーマンで、何十万円も掛かるよ?」

って言われちゃったから、

やむなく、彼女たちと一緒の「標準的な一泊ツアー」で妥協することにした。



ちなみに、

「一泊ツアー」の中でも、

ロング・コースと、ショート・コースがあって、所要時間も料金も、変わってくる。

コレはあくまで、僕の勝手な意見だけど、

ショート・コースを選んでおいたほうが、イイよ♪

なぜかってうと、

たいていのツアー会社は、

ショート・コースを選んだ客にも、

ロング・コースとほぼ同様のコースを、案内してくれちゃうからさ(笑)

…ちなみに、

どこのツアー会社に申し込んでも、

1泊の砂漠ツアーで周る場所、順番、食事、寝床の質…

その他諸々は、ほとんど変わらないよ。



僕らは、

その、宿・兼・ツアー会社で昼食も済ませて、

1時半頃、西方砂漠へと出発した!



『導かれし者たち』

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