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エピソード10 『伝説の教師 -金八さんのその先に-』

エピソード10

玄関口のすぐ隣に、10畳ほどの居間があり、大きな座卓が置かれています。

僕はその端っこに座り、リュックを下ろして一息つきました。

すぐに、例のコメディアンがグラスを持って戻ってきました。


「そんで?オーナー探してるんやっけ?」

「いや、厳密に言えば、受付もオーナーも必要ではないんです。」

「なんやねんそれ!無銭宿泊カマすつもりなんか。」

「いや、泊まるかどうかはわかりません。

 僕、人に会いたくてここに来たんです。

 アベ ショウエツさんって人なんですが…」

「アベ?

 あぁー 新薬被験者のバイトばっかりやっとる人か!」

「新薬被験者!?

 いや、違うんじゃないかなぁ…

 先生か、そうじゃなくても教育関係者のはずなんですけど…」

「えー!他にアベなんてヤツおったかなぁ。

 オレ、2ヶ月前からここに居るけど、

 新薬被験のアベさん以外、知らんで?」

「えー!?

 せっかく苦労してここまで来たのに…

 何か行きちがっちゃったのかなぁ…。」

どうにもこうにも、順調にいきません。


手が詰まって困惑した、その時でした。

「ただいまー」

誰かが、外出から戻ってきたようです。

「あ、ウワサをすればアベさんやで!玄関でよ!」

僕らは慌てて、玄関に出ていきました。

「は、は、は、はじめまして…。」

僕は、とりあえず礼儀正しくあいさつをしました。

すると、コメディアンの彼が間を取り持ってくれました。

「アベさんおかえりぃ。

 なぁアベさん?

 アベさん以外に、アベって名前のお客さん、おったかな?」

「いやー最近は居ないだろ?

 1年くらい前なら、ミツルとかいうのが居たけどなぁ。」

「じゃ、アベさんって、ショウエツって名前?」

「そうだよ。変な名前だよなー!

 それが何なん?

 あーイカン、オマエと喋ると関西弁がうつってまうわ!」

「…だってさ?」

コメディアンの彼は、僕の肩にポンと手を置き、そう言いました。


「あなたが…アベショウエツさん…?」

まったくもって、教育者には見えないのですが…


『伝説の教師 -金八さんのその先に-』

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