感動的な風景に見とれて、
ヤスさんたちとの約束を、すっかり忘れていた。
人だかりの霧散と平行して、
僕は、門の辺りをぐるぐる徘徊して、あの漫才コンビを探した。
割と、すぐに出会えた。
彼らもまた、今のゲリラ・デモを、眺めていたらしかった。
今見た光景の感動を、会話で分かち合いながら、
食べる場所を探した。
お堀の外側を10分ほど歩いて、
音楽ライブを興行しているレストランに、入った。
スコットランドのバルのような雰囲気だった記憶がある。
音楽も、現地のタイ人によるものでは、無かった。
2時間近く、のんびり会食をすると、
感謝と喜びのハグを交わして、
それぞれの宿へと、帰っていった。
「旅人」たちは、名残惜しい別れの場面でも、
「サヨナラ」なんて言わないし、酷く悲しんだりも、しない。
なぜなら、
この広い地球のどこかで、
再びまた、出会えるような気がするからさ♪
『首長の村の掟 -真実の物語-』