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エピソード11

西方砂漠のツアーは、

白砂漠とか黒砂漠とか、クリスタルマウンテンとか、

いろんな地形のポイントに訪れるよ。

それぞれ色んな雰囲気が楽しめるけど、

どこまでもどこまでも続く砂丘…!!

っていうようなのは、ナイんだよね。

黒砂漠は多少それっぽいけど、スケールが小さいね。

圧倒的な砂丘風景や、それをラクダに乗ってさすらうようなのをお望みなら、

たぶん、モロッコやチュニジア辺りで砂漠ツアーに参加するのが良いんじゃないかな。



そんな多少の期待外れを加味してもなお、

エジプト・バフレイヤの「西方砂漠」という場所は、

僕がこれまでに訪れた観光地の中でも、

3本の指に入るくらい、「興味深い」場所だったよ♪


一つだけ、

ぜーーーーーーーーったいに見逃して欲しくナイのは、

「夕焼け」なんだ!!

おそらく、どのジープも、

「白砂漠」と呼ばれているエリアで、夕陽を迎えると思う。

時間に余裕があれば、

ジープを停めて、写真撮影の時間を作ってくれるハズだよ。

この、

「白砂漠の夕暮れ風景の、陽が落ちる間際の時間」

ってのが、

おっっっっっっっっっっっそろしく、幻想的なんだ!!!

どのカラーの、どのグラデーションの、どの方角の、どのシチュエイションを

「最も幻想的だ!」と感じるかは、人それぞれ違うと思うよ。

だから、

一刻も気を抜かずに、空を、大地を、風景を、眺めていて欲しい。

写真にも、上手く残せると思うよ♪

僕が最も幻想的・感動的と感じたシチュエイションは、

「コレは、地球じゃねぇ…!!!」

って、ホンキで思ったよ!!!

「景色の美しさ」という観点で言うならば、

間違いなく、この「西方砂漠の夕暮れ」が、

これまで拝んだ中で最も、素晴らしく、感動的な景色だったね!!!



そうして陽が暮れると、

ジープのドライバーが、火を熾して夕飯を作ってくれるよ。

コーラなんか飲みながら、

小さなキャンプファイヤーを楽しむのさ♪

僕は、ギターを背負ってたから、

火を囲って、何曲か歌った。

歌に釣られたんだか、食い物に釣られたんだか、

小さなキツネみたいのが、僕らの宴を眺めに来たよ♪


それが済んだら、

砂漠のど真ん中で、眠るんだ!

テントなんか、建てないよ?

風の吹いてくる方角に、風除けは立てるけどさ。

西方砂漠は、

昼は汗ばむほどに暑くなるけれど、

夜は、尋常じゃナイくらいに寒いんだ!!!

風除け程度じゃぜんぜんらちがあかないんだけど、

テントを張ったりは、しない…

ジープには、何十枚も毛布が積んであって、

「これでもか!」ってほど掛けてはもらえるんだけど、

それでも尚、凍えるほどに寒いね!!!

拷問ってくらいに、寒いね!!!

それなりに防寒対策をしていけば、まぁ、何とかなるようだけど、

僕は、コレといって特殊な防寒具を持ってなかったから、

死ぬ思いだったよ(笑)

ほとんど、眠れなかった…!!



…でも、

西方砂漠で寝付けなかったことは、

決して、「不幸」なんかじゃナイのさ♪

僕は、2~3度ションベンがしたくなって、

毛布の山を、這い出したんだ。

辺りは真っ暗だけれど、

星や月のお陰で、それなりに周囲は見えるよ。


想像を絶するのは、「音」なんだ…!!

どんな音が、すると思う!?


「何の音も、しない」んだよ…!!!


「…ふーん」

って思ったかい?

キミは残念ながら、

「完全な静寂」ってモンを、知らないのさ(笑)

部屋で真夜中に起きてたって、

時計がカチカチ鳴る音や、

冷蔵庫がウーーーーーーンって唸ってる音は、聞こえるだろう?

どこに居たって、

少なくとも、何かしらのホワイト・ノイズが、薄っすらと鳴ってるんだよ。

でも、

西方砂漠の真夜中は、違うんだ…!!!


なぜか、真夜中になると、

風すら止んでしまう。

誰も、何も、動かない。

虫も鳴かない。


歩けば、自分のクツ音と衣ずれの音だけが、響く。


…じゃぁ、止まると…?


「完全な、静寂」なんだ。

まるで、時間の止まった世界に居るかのような、

キミョウな感覚を、覚えるんだ…!!!


この、なんとも言えない充実感は、

とてもじゃナイけど、

文章では表現出来ないし、

音楽でも映画でも、表現出来ないよ。

「自分の心身魂(カラダ)」で、「体験する」しか、ナイんだ!!!


…覚えておくんだよ?

夜中にオシッコ行きたくなったとしても、

友だちに付き添ってもらったりせずに、

一人で、ひっそりと、歩き出すことさ♪



『導かれし者たち』

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