西方砂漠のツアーは、
白砂漠とか黒砂漠とか、クリスタルマウンテンとか、
いろんな地形のポイントに訪れるよ。
それぞれ色んな雰囲気が楽しめるけど、
どこまでもどこまでも続く砂丘…!!
っていうようなのは、ナイんだよね。
黒砂漠は多少それっぽいけど、スケールが小さいね。
圧倒的な砂丘風景や、それをラクダに乗ってさすらうようなのをお望みなら、
たぶん、モロッコやチュニジア辺りで砂漠ツアーに参加するのが良いんじゃないかな。
そんな多少の期待外れを加味してもなお、
エジプト・バフレイヤの「西方砂漠」という場所は、
僕がこれまでに訪れた観光地の中でも、
3本の指に入るくらい、「興味深い」場所だったよ♪
一つだけ、
ぜーーーーーーーーったいに見逃して欲しくナイのは、
「夕焼け」なんだ!!
おそらく、どのジープも、
「白砂漠」と呼ばれているエリアで、夕陽を迎えると思う。
時間に余裕があれば、
ジープを停めて、写真撮影の時間を作ってくれるハズだよ。
この、
「白砂漠の夕暮れ風景の、陽が落ちる間際の時間」
ってのが、
おっっっっっっっっっっっそろしく、幻想的なんだ!!!
どのカラーの、どのグラデーションの、どの方角の、どのシチュエイションを
「最も幻想的だ!」と感じるかは、人それぞれ違うと思うよ。
だから、
一刻も気を抜かずに、空を、大地を、風景を、眺めていて欲しい。
写真にも、上手く残せると思うよ♪
僕が最も幻想的・感動的と感じたシチュエイションは、
「コレは、地球じゃねぇ…!!!」
って、ホンキで思ったよ!!!
「景色の美しさ」という観点で言うならば、
間違いなく、この「西方砂漠の夕暮れ」が、
これまで拝んだ中で最も、素晴らしく、感動的な景色だったね!!!
そうして陽が暮れると、
ジープのドライバーが、火を熾して夕飯を作ってくれるよ。
コーラなんか飲みながら、
小さなキャンプファイヤーを楽しむのさ♪
僕は、ギターを背負ってたから、
火を囲って、何曲か歌った。
歌に釣られたんだか、食い物に釣られたんだか、
小さなキツネみたいのが、僕らの宴を眺めに来たよ♪
それが済んだら、
砂漠のど真ん中で、眠るんだ!
テントなんか、建てないよ?
風の吹いてくる方角に、風除けは立てるけどさ。
西方砂漠は、
昼は汗ばむほどに暑くなるけれど、
夜は、尋常じゃナイくらいに寒いんだ!!!
風除け程度じゃぜんぜんらちがあかないんだけど、
テントを張ったりは、しない…
ジープには、何十枚も毛布が積んであって、
「これでもか!」ってほど掛けてはもらえるんだけど、
それでも尚、凍えるほどに寒いね!!!
拷問ってくらいに、寒いね!!!
それなりに防寒対策をしていけば、まぁ、何とかなるようだけど、
僕は、コレといって特殊な防寒具を持ってなかったから、
死ぬ思いだったよ(笑)
ほとんど、眠れなかった…!!
…でも、
西方砂漠で寝付けなかったことは、
決して、「不幸」なんかじゃナイのさ♪
僕は、2~3度ションベンがしたくなって、
毛布の山を、這い出したんだ。
辺りは真っ暗だけれど、
星や月のお陰で、それなりに周囲は見えるよ。
想像を絶するのは、「音」なんだ…!!
どんな音が、すると思う!?
「何の音も、しない」んだよ…!!!
「…ふーん」
って思ったかい?
キミは残念ながら、
「完全な静寂」ってモンを、知らないのさ(笑)
部屋で真夜中に起きてたって、
時計がカチカチ鳴る音や、
冷蔵庫がウーーーーーーンって唸ってる音は、聞こえるだろう?
どこに居たって、
少なくとも、何かしらのホワイト・ノイズが、薄っすらと鳴ってるんだよ。
でも、
西方砂漠の真夜中は、違うんだ…!!!
なぜか、真夜中になると、
風すら止んでしまう。
誰も、何も、動かない。
虫も鳴かない。
歩けば、自分のクツ音と衣ずれの音だけが、響く。
…じゃぁ、止まると…?
「完全な、静寂」なんだ。
まるで、時間の止まった世界に居るかのような、
キミョウな感覚を、覚えるんだ…!!!
この、なんとも言えない充実感は、
とてもじゃナイけど、
文章では表現出来ないし、
音楽でも映画でも、表現出来ないよ。
「自分の心身魂(カラダ)」で、「体験する」しか、ナイんだ!!!
…覚えておくんだよ?
夜中にオシッコ行きたくなったとしても、
友だちに付き添ってもらったりせずに、
一人で、ひっそりと、歩き出すことさ♪
『導かれし者たち』