エピソード11
90年頃には、
かなり羽振りの良い時期が続きました。
バブルが弾け、「神頼み」なシニアが、増えたのでしょう。
車関連のお遍路さん客が、急増したのです。
私たちは、
家計にゆとりが出てきました。
私はまず、
主人の夢を、叶えさせてあげることにしました。
比較的混まない時期を見計らって、2週間ほどの休暇を取り、
家族で、フランス旅行に赴いたのです。
また、
翌年には、イエメンにも、飛びました。
海外旅行の思い出の中にも、
お聞かせしたいエピソードは幾つもありますが、
あまりにも趣旨が変わってしまうので、グっとガマンすることにします。
主人は、
2つの海外旅行を満喫すると、かなり満足したようでした。
「あとはもう、
お金が貯まっても、オマエたちの望みを叶えるか、
家族以外の人々に、還元してやれば良い」
と、晴れやかな顔で言っていました。
顔つきが、一段穏やかになったのを、覚えています。
私は、
自分の野望を、思い切って打ち明けました。
私は、
ログハウスというものが、建ててみたかったのです!
住みたかったというのも、あるにはありますが、
それ以上に、「建ててみたい」という思いが、強かったのです。
私は、業者を調べて、
オーダーメイドのログハウス計画を始めました。
主人は、あまり興味が無いらしく、
あまり、手伝ってはくれませんでした…。
でも、
彼は別に、遊んで怠ける人ではありませんから、
彼のやりたいことを、尊重してもらいました。
私は、
思い通りの設計に満足すると、
大工さんを一人だけ雇い、
その方に指導・手助けを受けながら、ログハウス建設に励みました!
もちろん、
店の仕事を最優先にして、空いた時間に、取り組んだのです。
しかし、面白いもので、
費用支払いのメドが立ってしまうと、店の客足は落ち着き、
私がログハウスに夢中になる時間が、増えたのです!
ログハウス建設は、非常に面白かったです!
重い資材を持ったり支えたりするのは、それなりに一苦労ですが、
専門家というのは、やはり、便利な知恵や道具を、隠し持っているのです。
ちなみに、
私たちが費やした支出は、
合計で1,000万円ほどです。
土地も購入して、この価格です。
案外、安値で出来るものなのです♪
『お遍路さんの集まる喫茶店』