エピソード11 『伝説の教師 -金八さんのその先に-』
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- 2023年3月20日
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エピソード11
ようやく出会えたアベさんは、
まったくもって、教育者には見えませんでした…
安っぽいTシャツに短パン、風変わりなサンダル。
顔は、大昔の鶴瓶さんみたいです。
もじゃもじゃの髪はとても長くて、丸いメガネに細長い目。ホントにソックリ。
教育者というよりは、それこそコメディアンです。
「ほんじゃオレ、行くで?
夕飯の買い物いくつもりやったんやわ。」
「あ、はい。」
目の前のアベさんが目当ての人物かはわかりませんでしたが、
とりあえず、コメディアンの彼は自由にしてあげることにしました。
「まぁ、オレらも座ろうや。」
アベさんは、僕の肩をポンと叩き押し、くるっと回れ右をさせました。
二人で、居間の座卓に座ります。
「…そんで?
オマエ、オレに会いに来たの?」
アベさんは、コンビニ弁当を取り出しながら、話し始めます。
「えーーっと?
あ、はい、多分…」
「多分ってなんだよ!」
「いや…その…
教育関係者のアベさんを探していたもので…」
「それ、オレで間違いないよ。絶対。」
「え?でも、
新薬の実験場でアルバイトしてるとかなんとか…」
「あぁ、それもオレ。
今はそういう生活してるよ。ヘヘヘ。面白いぜ!」
「!?」
『伝説の教師 -金八さんのその先に-』