エピソード12
オレっちは、
今度は、ナナミのほうを向いた。直視した。
ナナミは、目をつむっていた。オレっちには気付かない。
オレっちは、可愛いフェルメールを目の当たりにして、
キスでもしてみたくて、たまらなかった。
でも、やっぱりガマンした。
今は、キスする状況じゃないと思う。
オレっちは、尚もナナミを見つめ続けた。
ナナミの横顔は、やっぱり美しかった。
光のツブツブで化粧して、余計に美しかった!
可愛いっていうだけじゃなくて、芸術的に、美しかった!
よくわかんないけど、そう感じた。
ナナミのエネルギーが、美しいのだと思った。
よくわかんないけど、そう感じた。
すると、不意に、
ナナミが目を開けて、オレっちのほうを見た。
オレっちは、ドキっとした!
ナナミは、オレっちの目を見つめながら、ニコっと笑った。
オレっちは、益々ドキっとした!!
それだけで、ドピュっ!とイキそうになった!!
オレは、この期に及んで、
ナナミのことを、エッチな目で見てしまったんだろうか?
…そうかもしれない。オレ、世界一エロいから。
でも、エッチな感覚とは違う意味で、
何か、ナナミに美しさを感じて、恍惚を感じた。
たぶん、性欲とは違うエクスタシーを、感じてた。
『ハルトの初恋』
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