エピソード１３ 『お遍路さんの集まる喫茶店』

エピソード１３

２０００年代も半ばを過ぎた辺りからは、

経営的にも、環境的にも、安定的低空飛行が続いています。

アルバイト・スタッフを雇うようにもなり、

その影響で、若者の来店・交流が活発になってきたのは、

特筆すべきことと、言えるでしょう。

また、

私たち夫婦の手が、かなり空くようになってきたため、

新しい取り組みを始めています。

私は、スイーツ作りを研究し、

バースデー・ケーキのオーダーメイドなどを行っています。

毎回毎回、そのお客さんの個性や要望に合わせて、

全く新しいケーキを作るので、楽しくて堪りません！

息子も、私に影響されたのか、

パティシエになりたいなどと、言い始めました。

今のところは、

彼が試作したものを、私が厳しく吟味し、

ＯＫだと思ったものだけ、店に出しています。

あの子も最近は、

「ヘルシーであること」を、第一に考えるようになってきました。

この辺りの精神性は、

主人のそれを継いだのかなぁと、笑ってしまいます。

主人は、

農業に興味を持ち始めました。

知人に田んぼを借りてきて、

「全部、自分一人でやる」と、豪語しています！

いったい、何のバラエティ番組なんでしょうか！？

何か、特殊な農法を研究したいようなのです。

なかなか思うような結果が出ず、私にからかわれてばかり居るんですが、

今は、「産みの苦しみ」の時期なのでしょう。

彼は、頭が良く、理想主義者ですから、

長い助走のあとに、大きなジャンプを決めてくれる気がしています。

『お遍路さんの集まる喫茶店』