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エピソード13 『ミシェル2 -世界の果て-』

エピソード13

私はお爺さんの忠告どおり、

「太っちょマルガリータはどこ?」と分かれ道に来るたんびに尋ねたわ。

ときどき分かれ道に人がいないこともあって、勝手な推測で歩いて間違えたけど、

でも無事にたどり着いた。

そしたら今度はホテルを探した。すぐ近くにあったわ。

古いって言ってたけど、やっぱり旧市街の昔の建物を使ったホテルでね、

木戸がとても重いの。古い建物ってそうなのよ。

私はドキドキしながらカウンターに向かう。

だって、一人でホテルに泊まるなんて初めてだもの。

「いらっしゃいませ。」店員さんも古い人。ホテルと同じくらい長生きしてそう。

「あのう、お部屋は空いていますか?」

「何名様でしょう?」

「ひ、1人です。」

「お連れの方はいらっしゃらない?」彼は私の背後をきょろきょろ見る。

「は、はい、1人です。」大丈夫かしら。私、不審人物?

「1人でも2人でも同じ料金になりますが?」

「え?いや、はい。かまいません。」

「一晩400マルッカです。」

「400!そんなにするんですか!?」

「あなたの街よりは安いでしょう。北のお方。」

「あ、す、すみません…。」

私はおとなしく、400マルッカを払った。

一晩の寝床で400マルッカも掛かるとなると、私の旅はそう長くないわね…。

会えるのかしら?レオに。

寝室は古いけど小奇麗で、タバコの臭いがするけれど、悪くないわ。

私は大げさにベッドに倒れ込むと、

また大きく1つ息をはいて、しばらく体と心を休めた。



いつの間にか眠っちゃってたわ。2時間ぐらい。

いいのよ別に。なんだってアリ。それに、それでもまだ3時。日は明るい。

私は、観光っていうか散歩でもしようと思って、ホテルを出た。

出る直前に思い出したわ。バスのチケット、買わなきゃ。

さっきの古い店員さんに尋ねてみたわ。チケットはどこで買うんですか?

彼、電話で問い合わせてくれたのよ。予約も済ませてくれたの。

ラトヴィアを通り越して、リトアニアのビリニュスまで行けるんですって。

バスが確保出来たら一安心。心も軽くなる。

私は町並みを眺めつつ、商店を探したわ。

知らないおじさんが言ってたでしょ?商店でフルーツでも買ったら安く済むって。

路地裏の商店で、小さなリンゴを2つ買ったわ。

もう少し歩いて、小さなトンネルをくぐって、

その先の道端に置いてある、大きな大きなワイン樽に腰かけた。

リンゴをかじりながら、道行く人々を眺めていたわ。


翌日も、日中はタリンの旧市街を観光して、

夜になったらバス停に行った。夜行バスなのよ。

昼間のバスもあったんだけど、

夜行バスならホテル代を1泊分浮かせられるでしょ?節約できるから。

それに値段も安いのよ。たったの100マルッカ。ホテルより安いの。

夜行バスって初めて乗ったわ。

眠れるのか心配だったけど、案外すぐ眠っちゃった。

今日も5時間くらいは散歩したから、疲れてたのね。

上手くできてるのね、旅って。


『ミシェル2 -世界の果て-』

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