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エピソード13 『碧い鳥 -最高の医療は何だ?-』

エピソード13

おじさんは、尚も話を続けます。

「…年寄りの戯言(ざれごと)に、少々つきあってもらっても宜しいですかな?」


「えぇ。なんでしょ?」

「結局のところ、西洋医学も東洋医学も、

 こっけいな茶番に過ぎないのかもしれませんなぁ。」

「茶番?ですか?」

「えぇ。こっけいな茶番ですよ。ははは。

 日本には、『鶴は千年、亀は万年』という言葉がありますね?

 動物界には、とても長生きする生き物が、いくらかいます。

 さて、彼らは、医療や養生に苦心しておりますかなぁ?

 そんなことはない。

 のらりくらり、ルーティンな暮らしを繰り返しているだけです。

 それだけでなぜ、100年以上も生きられるのでしょう?」


「進化…でしょうか?」

「そうです。その通り。

 彼らは、医療や科学といったその場しのぎは用いません。

 ただただ、長い年月と世代をかけて、進化し、適応するのです。

 果てしなく長期戦です。耐え忍び、努力する。

 対して人間は、耐えることを避けて、医療や科学に甘えている。

 だから、進化どころかどんどん退化し続けているのでしょう。

 もはや、着の身着のままでは生きられません。

 狩りをするとしても、生肉を食べれば腹を壊すでしょうし、

 透き通った泉の水を飲んだって、腹を壊してしまう。

 亀はそんなことでは腹を壊さない。なぜでしょう?

 幾世代も掛けて、進化し、適応してきたんですよ。

 その地道な努力の結果が、現在の長寿に結びついたのです。

 亀は、服すら着ない。生まれたままの姿で、それだけで長寿です。

 亀に限った話ではない。象もキリンも、みんなそうでしょう。

 子孫を含め、種全体のことを考えるのであれば、

 今を生きる自分たちは、雑多な困難にただただ耐えなくてならないのです。

 その耐える作業だけが、耐性を作り、免疫を作り、進化を促し、適応に至る。

 対して、人間が苦心している健康法は、医療にせよ科学にせよ自然療法にせよ、

 『その場しのぎ』に過ぎないのですよ。

 子孫のことなど配慮しない。種全体のことなど配慮しない。

 ただただ、今の自分の苦しみから逃避しようとしているだけです。」


「それは、西洋医学のことでしょう?東洋医学は、もっとポジティブなんじゃ?」

「ははは。そんなことはないようですよ。程度の差があるだけです。

 冷え性だからといって足湯に浸かったり唐辛子を食べたりするのは、

 根本的な冷え性改善には繋がらんのです。

 ご存知なかったですか?足湯も唐辛子も、冷え性を完治したりはしない。

 ただ単に、化学薬品よりも副作用が小さいというだけの話です。程度の差があるだけだ。」


「そうなんですか!?冷え性を治すには、どうしたら良いの!?」

「冷え性を治したいなら、寒さの中に身を差し出すしかないんですよ。ははは。

 風邪をひこうがインフルエンザに掛かろうが、それでもエアコンを付けずに耐え続けるなら、

 1ヶ月くらいも頑張れば、冷え性は克服できます。

 あなたのお祖母ちゃん辺りは、冷え性など抱えていないでしょう?

 古い世代の人たちは、エアコンなどを使わずに生きてきた。

 だから『会陰のチャクラ』は活性化され、冷え性にならないのです。

「だったら…!」

「そうですよ。

 西洋医学にせよ東洋医学にせよ、

 あらゆる処置は、無駄な努力なんです。

 人間という種が、本当に丈夫な体を手にしたいのであれば、

 あらゆる『あがき』を止めなければならないんですよ。

 自分はその苦痛に耐え切れず、10年で死んでしまうかもしれないが、

 そのまま自然体を続けていくなら、孫の孫のそのまた孫の代あたりには、

 今よりもっと頑丈な体を得ているでしょう。進化し、適応しているのです。

 動物たちは、そのようにして生きている。

 人間だけが、今の苦しみに逃げながら、生きている。

 エゴだとも気付かずに…茶番だとも気付かずに…。」


『碧い鳥 -最高の医療は何だ?-』

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