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エピソード14 『無人のお祭り』

エピソード14

僕は、

この宿を出た後の予定というのは、

コレと言って存在していなかった。

末は、沖縄離島でゲストハウスでも営みながら、

のんびり暮らすのも良いかなぁと考える人間だった。

その程度さ。


だから、

しばらくこの宿を拠点に、与那国に滞在してみようかなとも、考えた。



そんなプランを漏らすと、

「飛行場の、例のバイトが、

 多分今でもスタッフを募集しているから、口利き出来るよ」

と、教えてくれた。

「僕、車運転出来ないから、

 飛行場まで通えないよ?」

と言うと、

「それなら、自転車を貸すから、

 それで通勤すればイイよ。

 自転車だと、30分くらいかなぁ。

 若いキミなら、可能だとは思うけど。」

と、答えてくれた。


彼は、僕に対して、

別段気に入った気配も見せていなかったけれど、

それでも尚、

僕の人生プランに対して、全面的に手を差し伸べようとしてくれた。


…おそらくだけど、

この島に来たときの自分と、僕が、重なったんだと思う。

ヒトは、

自分が受けた奉仕を、誰かに還元したくなる生き物だからさ♪



僕は、屋根裏部屋でゴロゴロ本を読みながら、

ちょっとばかし、検討した。



けれども、

僕が出した答えは、「NO」だった。



その理由は、「ただのフィーリングだよ♪」と答えるのが、

最も正解に近いとは、思う。


一応、論理的なリクツを言っておくと、

ノブさんは、僕が思い描いているようなゲストハウスを、

もう与那国で運営しているのだから、

同じような展望を持つ僕が、この島に居る必要性は、低い。

ちがう地域に配属されたほうが、全体としては有意義さ。



僕は、久高島が気になっていた。

あの島は、霊的な土壌が、根強く受け継がれてきている。

スピリチュアリズムをこよなく愛する僕には、

与那国や他の離島よりも、打ってつけに感じる。

他の島だと、

僕がスピリチュアルな持論を語ったり実践したりすると、いぶかしげられてしまうだろう。


また、訪れる人たちも、

霊的なことへの興味が強いだろうさ。

(たいていは、勘違いしたスピリチュアリズムだろうけど…)


そして、あの島には、

太陽光パネルを供えた、大きな宿泊施設がある。

働き手に困っていそうな雰囲気だったから、

担い手としてのチャンスが、巡ってきそうな期待が持てた。


また、広い庭がある。

食物を自給自足する場所にしたいのさ。



ノブさんに、

「庭で野菜を育てたりしないの?」

と尋ねてみたところ、

「やってはみたけど、育たなかった」らしい。

潮風がモロに吹いてくる場所だから、

作物の栽培には、向かないらしい。



ちなみに、黒島にも、

無人で放置されたままの、有用そうな宿泊施設があった。

ロッジが10個ほど点在する、リゾート施設のようだった。

海ガメの保存を推進している島だから、精神性も悪くナイだろう。

牛とクジャクばっかりの島で、見るモノに乏しいから、

欲深い人々に侵食される危険性も、低い土地だと思う。

僕は、黒島も割りに気に入っているよ。



そうして、

沖縄離島各地に、

資本主義経済から卒業したい人たちが散らばると、

面白い展開になりそうな気もする。

こういうのは、ひっそり展開していったほうがイイから、

興味半分の余計な人たちが来づらい場所のほうが、やりやすいだろうさ。


『無人のお祭り』


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