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エピソード15 『お遍路さんの集まる喫茶店』

エピソード15

3人目の方は、少しじっくりと、紹介させて下さい。



あれは確か、

2009年も8月中旬の、暑さも最高潮の時分でした。

夕方4時になっても気温が下がらず、

常連のおばあちゃんが、お孫さんと一緒に、

店先に、水撒きをしてくれていたのです。


店の前を、一人の歩きお遍路さんが、通りました。


おばあちゃんは、お孫さんに、

「ほれ、水が掛かったらいけないよ」

と言って、ホースを内側に向けるよう、促したのです。


「孫が失礼を、ごめんなさいねぇ」

と、謝りながら、彼の顔を見上げる(190近くもあるのです!)と、

気分を害するどころか、満面の笑みで、

「いやいや!

 お兄ちゃん、暑くてクタクタだから、

 顔に、お水を掛けておくれ♪」

と、思いがけないことを、言ってのけたのです。


お孫さんは、嬉しくなって、

同じように無邪気な笑顔で、彼にホースを向けました。

彼は、その水しぶきをたいそう喜び、

退屈していたお孫さんの泣きべそを、虹色スマイルに変えてしまったのです!


おばあちゃんは、堪らず、

「お遍路さん!

 この店で休憩していかれたらどうです!?」

と、普段私がやっていることを、代行してくださったんです。


彼もやはり、

持ち金のことが頭を過ぎったようなのですが、

「これも、おじょうちゃんが作ってくれた縁だよね♪」

と笑うと、お店に入ってきたのです。

…とにかく、

何を言っても、何を言われても、笑っている人なのです(笑)



私は、彼が店に入ってから、

その存在に気づきました。

おばあちゃんが、簡潔に紹介をしてくれたので、

いつもの「隠れお接待モード」で、対応をしました。

やはり、


コーヒーなどは無駄金だと感じられたようですが、

「美味いコーヒーってことなら、飲んでみよう♪

 …ただし、アイスで願いします!

 あ、あと、ミルクたっぷりでね♪」

と、お子様みたいなことを、恥ずかしげも無く、言っていました(笑)


私は、

彼のチャメっ気と笑顔を見ただけで、

8時間分の疲労が、吹き飛んでしまいました(笑)



続いて、

食事のオーダーを取ると、

「お肉の入っていない料理は、ありますか?」

と、若者らしく無いことを、言います。

ビックリしましたが、

野菜炒め定食を、肉抜きで、特注させました。

主人に、直接作ってくれるよう、リクエストを出しました。



幸い、店が空(す)いていたので、

会話をする時間がたくさんありましたが…

さて!一体何から話せば良いのでしょう!?


…男前だから緊張してしまったわけでは、ありませんよ!(笑)


いかんせん、

突っ込みどころが、多過ぎたのです!!

とてもじゃないけれど、

お遍路さんとは思えない人間なのです!!


『お遍路さんの集まる喫茶店』

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