top of page

エピソード15 『マイウェイ -迷路の町のカロリーナ-』

エピソード15


それから4年後、

私は、マカリオスと結婚したわ。

私、恋愛なんて興味なかったし、結婚にも興味なかったけど、

なんとなく、マカリオスと結婚しなきゃいけないような気がしたのよ。

無口でおどおどしてて、ちょっと頼りないけどね。

でも彼は優しくて、働き者で、

私がトランペットに打ち込みたくなったときも、それを肯定し、支えてくれたわ。

私、彼のおかげで音楽の学校にも通えたの。


私は学校で、トランペットのほかにピアノも学び、

おまけに、指揮者の勉強もしたわ。こんなに音楽にのめりこむとは思わなかった。

音楽で生計を立てたいと望む私に、

卒業時、たった1つだけ、誘いがあったわ。

それがなんと、

ヴェネチカの広場の、レストランのコンサートバンド。

私は、長い放蕩(ほうとう)の末に、生まれ故郷に戻ってきたの。

不思議なものね、運命って。

観光客のためのあのコンサート、私、憎んでいたのに。

そのコンサートが、ルチアーノに音楽を教え、

私にトランペットを与え、そして仕事を与え、故郷への渡し舟となった…

不思議なものね、運命って。



指揮者としての学のある私は、

演奏曲の決定にも、口をはさむことが許されたわ。

私は、考えに考えて、1つの曲を推したわ。

「マイウェイ」

フランク・シナトラの、大ヒット曲ね。


観光客なんていうのは、哲学しないのよ?普段はね。

今まで一度も哲学しなかった人たちが、哲学していくの。この曲を聴くときは。


「私の人生」とは、何だろうか?



『マイウェイ -迷路の町のカロリーナ-』

最新記事

すべて表示

エピソード158『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード158 ドラゴンの姿のキキは世界樹の残骸の上にふわりと降り立った。 3人と馬をそっと地面に降ろす。 そしてすぐに10歳の少女の姿に戻った。 キ「ふぅ!みんなお疲れさん♪」 な「キキちゃぁーーーん!怖かったよぉぉ!!」 ななはキキに飛びついた。 キ「よしよし。よくやったねぇ」キキはななを優しく抱きしめ労った。 ゆ「キキちゃん強すぎ!」ゆなもキキを抱きしめる。 キ「へっへーん♪ だから言った

エピソード157『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード157 キキはジロっとエビルプリーストを睨みつけた。 キ「最後はみんなで戦いたいの。協力してくれる?」 3人は力強くうなずく。 キキの背後には、さっきの天使たちが光の粒の姿となってキラキラと輝いた。 キキは両手を構えて魔力を集中させる。 キ「山よ、海よ、花よ、宇宙の無数の精霊たち。そして新たな天使の友人たち。 精霊ルビスの御名の元、今こそ我に力を与(くみ)し賜え。 ただただ不届きものを滅

Comments


bottom of page