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エピソード15 『首長の村の掟 -真実の物語-』

翌日は、

9時には、クサカベさん家の庭に、着いていた。

やがて、日本人の女の子が2人、やってきた。

同じツアーに参加するらしい。

今回の旅では、程よいペースで、日本人に出会えるものだ。

まぁ、タイなんてのは、日本人旅行者が世界一多いかもしれないから、

ところどころで出会っても、不思議ではない。

他の国では、こんなに頻繁には、出会えないよ。

2週間も日本語を話せない時だって、ある。



定刻9時半にそこに集まっていたのは、僕ら3人だけだった。

3人で行くのかな?


屋根付きピックアップ・トラックが、庭先に停まると、

すぐに、その荷台に飛び乗った。

中にはすでに、3人の先客が居た。

ベルギー人のカップル2人と、フランス人女性だったか。

更に、

近くの宿に寄り寄り、あと数人、ピックアップしていった。

全部で、10人ほどになった。

いつもよりも、多いらしい。

僕ら3人が、飛び込み客だったためだろう。



ピックアップ・トラックは、

これだけでもう、アトラクションだった!

僕は、こういう、

座席もクソも無い、ヒッチハイクまがいの長距離移動に、

とてもとても、憧れていた!


荷台はとても混んでいたので、他のみんなに譲った。

僕は、タイヤの上の辺りに足を掛けて、屋根に捕まり

ゴミ収集車のおじさんみたいに、立ち乗りをしていた。

反対側の角には、ツアーガイドの青年が、同じように立ち乗りしていた。

まさしく、ゴミ収集車のようだった(笑)

この位置に、こんなふうに乗っていると、

気持ちの良い風を、びゅんびゅん浴びられた♪

…最初のうちは排気ガス臭かったけど…


そして、風景を眺めるのに、絶好の場所だった♪

少しずつ寂れていく景色を、風を浴びながら眺めているのは、

とてもとても、旅風情(たびふぜい)がある。

異国の地を旅している実感を、強烈に感じられる!


『首長の村の掟 -真実の物語-』

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