翌日は、
9時には、クサカベさん家の庭に、着いていた。
やがて、日本人の女の子が2人、やってきた。
同じツアーに参加するらしい。
今回の旅では、程よいペースで、日本人に出会えるものだ。
まぁ、タイなんてのは、日本人旅行者が世界一多いかもしれないから、
ところどころで出会っても、不思議ではない。
他の国では、こんなに頻繁には、出会えないよ。
2週間も日本語を話せない時だって、ある。
定刻9時半にそこに集まっていたのは、僕ら3人だけだった。
3人で行くのかな?
屋根付きピックアップ・トラックが、庭先に停まると、
すぐに、その荷台に飛び乗った。
中にはすでに、3人の先客が居た。
ベルギー人のカップル2人と、フランス人女性だったか。
更に、
近くの宿に寄り寄り、あと数人、ピックアップしていった。
全部で、10人ほどになった。
いつもよりも、多いらしい。
僕ら3人が、飛び込み客だったためだろう。
ピックアップ・トラックは、
これだけでもう、アトラクションだった!
僕は、こういう、
座席もクソも無い、ヒッチハイクまがいの長距離移動に、
とてもとても、憧れていた!
荷台はとても混んでいたので、他のみんなに譲った。
僕は、タイヤの上の辺りに足を掛けて、屋根に捕まり
ゴミ収集車のおじさんみたいに、立ち乗りをしていた。
反対側の角には、ツアーガイドの青年が、同じように立ち乗りしていた。
まさしく、ゴミ収集車のようだった(笑)
この位置に、こんなふうに乗っていると、
気持ちの良い風を、びゅんびゅん浴びられた♪
…最初のうちは排気ガス臭かったけど…
そして、風景を眺めるのに、絶好の場所だった♪
少しずつ寂れていく景色を、風を浴びながら眺めているのは、
とてもとても、旅風情(たびふぜい)がある。
異国の地を旅している実感を、強烈に感じられる!
『首長の村の掟 -真実の物語-』