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エピソード16 『リストラ後の7回裏で…』

エピソード16

…いつの間にか、

妻・翔子は、私の先生になっていました。

私は、妻・翔子に習って、倣って、

様々な物を、手作りするようになったのです。


野菜やハーブは前述の通りですが、

最初に私が夢中になったのは、手芸の数々でした。


「男が手芸!?」

と、お思いになられます?

そうでしょうそうでしょう!

手芸は、基本的に、男性向きではありません。

編み目などの繊細さに対して、

男性の手指は、少々大き過ぎます。

また、私は人より無骨な手をしていますので、

尚更、手芸は不向きでした。

不向きでしたが、取り組みました。



まず、妻・翔子は、

カンタンなマフラーの編み方を、教えてくれました。

この編み方を妻・翔子に教えてくれたのは、「アニメ」だったそうです。

手芸のアニメというわけではなく、

ホーム・ドラマの類のものの、何気ないワンシーンだったそうです。

これは、

かぎ針などは使わず、指だけで編めるのです。

とてもとても、簡単でした!

ただ、5本の指に、くねくねと毛糸を絡めていくだけなのです。

およそ、5歳児でも出来ます。



私はコツを掴むと、

ハンモックに寝そべって、その短調作業に夢中になりました。

妻・翔子に、ブラームスのCDを掛けてもらいました。

…いえ、

CDは根こそぎ売ってしまったので、

スマートホンをコンポの外部入力端子に繋げて、音楽を楽しみました。

なるほど、

三女・絵里香の言う通り、CDと遜色無い音質だと、感じました。


ブラームスを聴きながら、指編みの作業をしておりますと、

私はなぜか、

昨日・一昨日辺りに見た夢の断片を、よく思い出しました。

あとで解ったことですが、

脳がリラックスし、β派に切り替わることで、

夢と現(うつつ)のハザマのような意識に、入り込むのです。


私は、この状態のとき、

聴いたこともないメロディを、よく口ずさんでいました。

妻・翔子が、

「あら?それ誰の曲?ステキねぇ♪」

と口を挟んできて、自分が歌など歌っていることに気付くのですが、

どれだけ記憶を辿ってみても、既存のアーティストの名前は、出てきません。

…どうやら、

私は、自分で作曲をしてしまっているようでした。

ある種の、瞑想状態に至っているようでした。



こうして、

無心になって1時間もくねくねやっていると、

もう、大人でも巻ける程度の長さのマフラーが、出来上がってしまいます。

2本取りで編んでいくと、程よい厚みが出るようです。


私は、他にも、

端切れを使ってクマのぬいぐるみを作ったり、

スマートホンのケースを作ったり、しました。


『リストラ後の7回裏で…』

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