エピソード17『伝説の教師 -金八さんのその先に-』
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- 2023年3月20日
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エピソード17
「…あの、
結局のところ、僕、どうすれば良いんでしょう?」
「知らねぇよ、そんなの。
オレはオレの感性に基づいて、こういう道を歩んだまでだ。
セオリーがあったわけじゃねぇし、誰かの真似したわけでもない。
オマエはオマエの感性で進むんだよ。全ての責任を背負いつつ、な。」
「でも、どうしたら良いんだろう…」
「教員試験、近いんじゃねぇのか?
帰ってママのひざで勉強しろよ。
だが、
本気で最高の教師を目指すんなら…
二十代のうちは遊んどくのがいいんじゃねぇか?
教員やるのは30になってからだ。」
「遊ぶ?めっそうもない!!」
「だから、オメエは頭が堅すぎんだよ!
『遊ぶ』ってのは、まぁ言葉のアヤだ。
『色んな地域に行って、色んな仕事もしてみろ』ってことだよ。
いや、実際に遊びもやったらいいがな。
海外旅行も行っとけよ。風俗も経験しとけ。
沖縄でも暮らしてみたらいい。都心の常識がいかにバカげてるか、体で解るだろう。
なぁに、金も掛からねぇよ。
ゲストハウスに滞在するなら、場合によっちゃ月に10万もありゃ暮らせる。」
「10万!?
ウソでしょ?東京の半額じゃないですか!?」
「ウソなもんか!
オレなんて、6~7万しか掛かってねぇよ。
というか、
10万で生活できるような場があることを知らないうちは、
教師なんかやらないほうが良いぜ。
そんなヤツが教師やってたら、どうなる?
生徒が進路相談しに来ても、
月収20万になるような進路しか、紹介してやれないだろう。
画一的な、ツマラナイ進路しか、示してやれない。
そんなのは、教師っていうより死神だよなぁ。わははは。」
「親元離れても、月10万で暮らせるのか…」
僕、やってみようかな。」
『伝説の教師 -金八さんのその先に-』