エピソード18 『首長の村の掟 -真実の物語-』
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- 2023年3月11日
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象にまたがる一行は、シャン族の村に到着した。
…ここの光景を、ほとんど思い出せない。
ハデな民族では、無かったのだろうと思う。
東屋のようなところで、
みんなでテーブルを囲んで、昼食を取ったのは、覚えている。
村で食事をしたというよりも、
トレッキング・ツアー客たちのために、
村の近くに、幾つもの簡易食堂が設けられていたといった按配だろう。
あとは、やたらとネコが多かったような記憶がある。
僕は、こんなところにまでも、ギターを背負って来ていたので、
すぐに、一行の中心人物となってしまった。
それは概ね、都合の良いことが多かった。
色々と、日本について質問されたけれど、
みんなの英語が早口で、答えるのが大変だった!
でも、楽しい会食だった♪
ベルギー人のカップルが、
みんなの難解な英語を、シンプルな英語に訳してくれて、
ずいぶんと、助けられた。
ダニエルとティナ…だったかなぁ。
会食の後も、
この2人とは、よく話した。
ティナが、中心に喋ってくれていた。
ティナたちベルギー人は、
たいてい、4ヶ国語くらい、操るらしい!
英語と、フランス語と、ベルギー語と、オランダ語か。
フランスとオランダは、ベルギーに隣接しているので、交流が盛んなため、
必要度が高く、自然と覚えていくらしい。
そして、英語は学校で習う。
それにしたって、4ヶ国語を使いこなすというのは、
日本人からすると、考えられない離れ業だ!
ティナは、説明してくれた。
欧米各国の言葉は、英語から派生しているものが多いので、
1つマスターしていれば、応用が利きやすいのだ。
似たような綴りや、似たような発音の単語も多いし、
そうでなくても、26アルファベットを使うことには、変わりない。
対して、
日本語というのは、英語とは掛け離れている。
これを公用語にしていれば、他の言語に苦戦するのは、当然なのだ(笑)
僕は、英語以外の言語について、ほとんど無知であったから、
ティナの話を聞いて、ずいぶん感心してしまった。
「ベルギー人は4ヶ国語操るんだから、日本人も頑張れよ!」
なんていう、数の理論は、通らないのだ。
英語圏のティナたちからしてみると、
日本語なんて、難解過ぎて、さっぱり覚える気にはなれないらしい(笑)
かと言って、
お隣韓国人は、総じて、日本人よりも、英語が堪能である。
少なくとも、海外を旅しているのに英語がカタコト…なんて韓国人は、
1人たりとも、見たことが無い!
パックツアーの参加者には、居るだろうけど、
個人旅行をするような人たちは、ほぼ全員、流暢に英語を操るだろう。
韓国人旅行者たちは、
お隣日本人が、英語が得意じゃないことを、よくご存知である。
そして、同じアジア人のよしみであるからか、
僕らが言語で躓いていると、しょっちゅう、助けてくれる!!
彼らは、何かと、日本人を助けてくれる!!
近年、日本人は、
韓国人へ、敵対心を募らせる人が、多い。
しかし、
1週間でも海外を旅してみれば、
そんな敵対心は、一瞬で吹き飛んでしまうだろう!
ニュースで何を噂していたって、
自分が直接助けてもらった国の人を、悪く思ったりは、しないさ!
結局、
広く世界に飛び出す人たちほど、多くの民族を愛している♪
対して、
狭い世界で生きている人たちほど、排他的で、恐れおののいている…。
韓国人や中国人を、批判・攻撃している人たちは、
自分の見聞の狭さを、ひけらかしているようなものだ(笑)
そして、更に見聞の狭い人たちだけが、
彼らの批判や攻撃を、真に受けている(笑)
他国民に敵対する心は、
「無知の現われ」としか、言いようが無いよ。
メディアや政府に、簡単に操作されてしまうだろう。
テレビは、真実など、流してはいない。
相手が誰であれ、何をしたのであれ、
敵対し、噛み付く人間というのは、自分が幼いのだ。
弱い犬ほど、なんとやら。
大きな犬は、何があっても動じない。
そして、
ネコであれヒヨコであれ、
自分の腕の中で、温めてやる♪
あなたは、まだこれからも、
あーだこーだと難癖を付けて、キャンキャン吠え続けるのだろうか?
『首長の村の掟 -真実の物語-』