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エピソード19 『真理の森へ』

エピソード19

気付けば、カティが居ない!

私はカティを探し、玄関にカティの靴があるのを発見。

家の中に入ったようです。

私も丁寧に靴を並べ、中にお邪魔してみることにしました。


カティは、お義母さんと一緒にキッチンに居ました。

さっき摘んだベリーを、お義母さんと一緒に煮込んでいます。

「ひょっとして、ジャム作り!?」

私は興奮して飛び込みました。

ジャム作りは、小さいころにお母さんとやったことがあります。

甘ーい匂いがキッチン中に広がって…それはそれは夢のような時間♪

「半分は普通のジャムにするわ。冬用のストックにね。

 でも、もう半分は煮込まないわ。ミキサーで潰すだけ。

 それで、砂糖をちょびっとだけ加えるの。」

カティは、指先でペロっと味見しながら、言いました。

「どうして全部は煮込まないの?」

「うふふ。どうして煮込む必要があるの?」

カティは、質問に質問で返してきました!

「???」

私は、意味がわかりません。

「うふふ。

 ジャムってそもそも、保存食なのよね。

 夏場に摘んだベリーを冬にも食べるために、ジャムっていう調理をしたのよ。

 煮込むのも、砂糖をたっぷり入れるのも、全ては長期保存のためなの。

 でも、今は時代が変わったから、べつに冬でも生のベリーが買えるのよ。

 であれば、わざわざ長期保存用の加工なんて、必要ないんじゃない?

 ベリーは摘みたてのほうがみずみすしくて美味しいし、

 砂糖を入れすぎるのは甘すぎちゃう。

 みんな要するに、パンに塗るフルーツ・ペーストが欲しいんでしょ?

 だったら、わざわざ煮込んでビタミン壊さなくても、ただミキサーで潰せばよくない?

 お砂糖も、最低限だけにして、ね。」


カティの言う理屈はなんとなくわかったけど、

「ジャム加工するのは蛇足なことだ」というのは、いまいち実感がわきません。

そうして首をかしげていると、

「うふふ。食べてみればすぐわかるわよ♪」

カティはそう笑い、

私の目の前でベリーをミキサーにかけ、それをパンに塗って差し出してくれました。

「…!

 美味しい!!」

頬いっぱいに、ベリーのみずみずしさが広がるのです。

「でしょう!?

 長期保存の必要性がないなら、わざわざ煮込まないほうが良いのよ(笑)」


『真理の森へ』

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