エピソード1
「ねぇ、来週の日曜日、
無料のクラシック・コンサートがあるんだけど、行かない?」
ミサが、そう誘い掛けてきた。
ミサは、ボクの彼女だ。
我ながら、素晴らしい彼女だと思う。
可愛らしく、オシャレさんでもあるけど、
クラシックを愛する気品がある。
こういう、ギャップというか二面性のある女の子は、
とても魅力的だ!
でも、
こういう魅力というのは、一夜漬けで培えるモンじゃない。
幼い頃からの積み重ねだよ。
みんなが買い食いして、万引きして、プリクラ撮ってる時間に、
必死にフルートを吹いてたから、今があるんだもの。
ボクとミサは、大学時代の同級生だ。
吹奏楽部で知り合ったのだ。
学生時代を共に過ごしていると、
相手の情けない部分を、イヤでも垣間見ることになるから、
同棲とかしなくても、相手の人間性がよく解る。
…まぁ、同棲にはちょっと興味があるけれど。
結婚はしなくてもイイけれど、
同棲しながら、つつがなく暮らしていきたいとは思う。
『クラシックの革命児』