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エピソード1 『全ての子供に教育を』

プロローグ


「ねぇ、なんで勉強なんかさせるの?」


「そりゃお前、幸せにしてやりたいからだよ。」


「勉強なんかしなくても、俺、幸せ感じられるぜ?」


「お前の知らない幸せが、大人になったら解る。」


「国語なんか勉強しなくても、俺、まっとうに喋れるぜ?」


「そうだな。ヘリクツが達者なようだ。」




エピソード1

プロローグに綴った会話は、

ガキの頃に親父と交わしたものだ。

同じシーンを幾度となく夢に見る。しつこいくらいに。



俺は、勉強が嫌いだった。

一流私大に合格し、一流企業に入社できたが、

勉強は嫌いだった。

嫌いだけど、一生懸命に勉強した。

それこそ、ノイローゼになるほどに。

俺みたいな凡人が一流私大に合格するためには、

それくらい根詰めなければならないんだ。


なぜそんなに勉強したのか。

親にせっつかれたからだ。

俺の親は、いわゆる「教育ママ」だ。(厳密に言えば、「教育パパ」だ。)

幼稚園から知能塾に通わせ、小学校から私立受験させる。

知能塾に3年も通ったのに、小学校受験に落ちる。

仕方ないから、小1からもう、塾に通う。


なぜ親は、俺に勉強をさせたがったのか。そんなに学費を投じたのか。

俺に、幸せな大人になってほしかったからだ。一流企業に勤めさせたかったからだ。

その念願は、実際、叶う。その目論見は、実際、叶う。

俺は、一流企業に入社し、平均よりずいぶん大きな月収を手にする。



しかし、

親の言うことは、当たってはいなかった。

一流企業に潜り込もうと高収入を得ようと、

俺は、幸せなんて大して感じられはしなかった。

その証拠に、俺は、

せっかく苦労して手にした「一流企業」の肩書きを、自ら手放すことにした。

退職したんだ。30を手前にして。


俺は、もっと奉仕的な仕事をしたかった。

だが、誰もがうらやむ一流IT企業は、奉仕とは程遠い内情だった。

部品を1つ取り替えただけで、「新商品です」と謳い、また10万円払わせる。

日本の技術革新は目覚しいと言われているが、

こんなのは技術革新とは言わない。単なる詐欺だろう。

パソコンに詳しい奴なら知っている。

Windowsは、XP、いや2000でもう、ほとんど成熟し切っている。

Vistaだ8だというOSは、ほとんど「改悪」でしかない。

7はまだマシかもしれない。

しかしあれだって、

エアロを抜き、XPのサービスパックとして無償提供したって良かったはずだ。


俺は、もっと奉仕的な仕事がしたかった。

俺は、もっと人の役に立ちたかった。


『全ての子供に教育を』

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