エピソード1 『真理の森へ』
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- 2023年3月18日
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プロローグ
四葉のクローバーが幸福の象徴と言われるのは、
あながち、迷信でもないのかもしれません。
エピソード1
亮くんと抱き合ったことで、私は激変してしまいました。
いや、セックスそのものが私を変えたのではないんだ。
セックスに対して、素直に・積極的になったことが、私を変えたのだ。
それを履き違えてはならない。
そうじゃないと、亮くんと語り合った意味がなくなってしまう。
しかしながら…それにしても…
私は変わってしまったのです。
あれからというもの、
心理学への熱意はすっかり冷めてしまった。心理学なんてどうでもよくなってしまった。
まだ駆け出しの私なので、「卒業」などと宣言するのはおこがましいけれど、
でも何となく、そういうニュアンスは、ある。
私の探し求める四葉のクローバーは、
心理学という名のお花畑には、無さそうです。
私は、学校に行くのが億劫になってしまいました。心理学を勉強する気にならない。
偉そうに講釈を垂れる心理学講師たちが、とても幼く感じられるようになってしまいました。
自由選択でなんとなしに選んだ環境学のほうが、まだ面白い。
これは、クローバーの絶滅を防ぐくらいの役には、立つ。
その環境学の授業で、ある日、外部講師の講演がありました。
その講師は、フィンランド人でした。フィンランドは、環境先進国であるらしい。
フィンランド…!?
私は、シャーペンのお尻を甘噛みしながら、頭に電球を光らせた。
フィンランド…亮くんが留学した国だ!
『真理の森へ』