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エピソード22 『真理の森へ』

エピソード22

まだ1週間しか経っていないのに、

私が学んだことは星の数ほどたくさんありました。

トゥーリが言っていたみたいに、

大学だけでなく、あらゆる全てが私の学校であり、先生なのです。

新鮮なことだらけで、毎日がメチャクチャ面白い!

視覚も味覚も聴覚も、刺激されまくってフル回転です。

全身の細胞が、すっかり入れ変わっちゃったみたい。


そこまでの新鮮さは、1ヶ月と続かなかったけど、

それでも毎日のように、何かしら新しい発見が続きます。

…ひょっとしたら、「留学」である必要は無かったのかもしれない。

教室で学んだことなんて、全体のうちの1割にも満たないのだから。

とにかく、海外に長期滞在するということに、意味があったんだと思う。

そしてそれがフィンランドであったから、こんなにも学びが多いのです。



フィンランドの全てが良いかと言ったら、そうとも限りません。

まず何よりも、冬の寒さが地獄!

10月にはもう寒くなりはじめて、自転車通学も断念してしまった。

真冬にもなれば、気温は0度を超えません。-20度なんてのもザラ(笑)

気温の低下とともに、極夜(白夜の反対)もどんどん進んでいき、

気分はどうしても、憂鬱になってきます。これは、フィンランド人でさえ仕方ないんだそうな。


それと、私が耐えられないのは、

フィンランド人の飲酒量!

普段はあんまりお酒を飲まないのに、

何か祝日やイベントとなると、突然、泥酔するほど飲みまくるのです。

その辺は日本人に似て、ストレスを溜め込みすぎているんでしょうか?

幸い、カティもアンティもあまりお酒を飲まないので、

出入りする場所さえ気をつければ、あまりお酒で不愉快な目に遭うことは無いけれど。



寒さと言えば、とても驚いたことがあります。

最高気温がマイナス10度にもならない、ある寒い日のことでした。

私は、学校が昼過ぎに終わって、まっすぐ家に帰っていました。

すると、近所の家の庭先に、

ベビーカーに乗った赤ちゃんが、放置されているではありませんか!

育児放棄!?それとも虐待!?

私は青ざめて、とっさにその家のインターホンを連打しました。

インターホン越しに、「赤ちゃんが出ていますよ!」と叫びましたが、

どうも通じません。相手はお婆ちゃんで、英語が得意ではないようです。

お婆ちゃんは外に出てきて、私は身振り手振りで伝えますが、

それでもどうにも、伝わりません。

赤ちゃんが放置されているのを間近で見ても、それでもノー天気なのですから、

私の頭はクラクラします。

私はさすがに虐待を疑い、思い切って警察に通報しました。

お巡りさんはすぐに駆けつけてくれましたが、

お巡りさんもやはり、放り出された赤ちゃんを見ても、平然としています。

お巡りさんまで狂っているのか!?と私は青ざめました。

…が、よくよく話を聞いてみると、

フィンランドでは、赤ちゃんの健康のために敢えて、

ベビーカーに乗せた赤ちゃんを、真冬の屋外でお昼寝させるのだとか!

私はあまりにカルチャーショックで、

冷静に説明されてもなお、しばらくは理解ができませんでした…。


もちろん、しっかりと防寒具を着せはするのですが、

それにしたって凍るような寒さだし、雪の日さえやるので驚きます。

家の中は暖房によって空気が汚れているので、

外の新鮮な空気の中で昼寝したほうが健康に良く、また良く眠るんだとか。


フィンランドの赤ちゃんや子供たちは、

スキーウェアのような「つなぎ」型の防寒具を愛用します。

保育園の庭先などで、並んでお昼寝している様子を見ると、

色とりどりのマトリョーシカが並んでいるみたいで、とても可愛らしいです。


『真理の森へ』

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