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エピソード23 『ミシェル2 -世界の果て-』

エピソード23

やがて私は、眠くなってきてしまった。

寒くて臭くて、お尻が痛くて、眠れやしないんだけど、でも眠いの。

眠くなると、余計に寒くなってくる。

私はパーカーのフードもかぶって、ますます小さく縮こまる。

お尻の痛さがガマンできなくて、眠くて筋力が働かなくて、

私はついに、床に寝そべってしまう。

この鉄板張りの、冷たい冷たい床の上に。

50年分のタバコとツバで汚く汚れた床の上に。

だってどうしようもないのよ。体はもう動かないし、私に他に場所は無いんだもの。


眠いけど眠れない、眠れないけど眠い、

そんな夢と現(うつつ)の間(はざま)で、私はただただ耐え続けた。

相変わらず幾人もの人がタバコを吸いにきて、空気を汚し、

吸い殻を落とし、下品な音を立ててツバを吐いていく。

また幾人もの人がトイレに入って、バタンと大きな音を立て、臭い匂いを放っていく。

そして、夜中になると益々寒い。風が吹き込んでくるから途方もなく寒い。

こんなにみじめなことってあるかしら。

カイロの安宿より数倍はみじめで、数倍過酷。

私はただただ、一刻も早く朝が来ることを願って、耐え続けるしかなかった。


『ミシェル2 -世界の果て-』

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