エピソード23 『全ての子供に教育を』
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- 2023年3月14日
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エピソード23
宅地整備が必要だ。
木材伐採と平行して、村の奥の茂みが、更地に整えられた。
木材の伐採現場は、そのすぐ横である。非常に効率が良い。
誰かが、学校の図面を描き起こしてくる。
2教室しかない、非常にシンプルな図面だった。
村は、小学生の総数が15人しか居ないので、2教室もあれば充分か。
建築の段になると、村の子供たちが様子を見に来た。
そして時折、建築作業の手伝いをする。
…手伝いになっているのかどうか、よくわからないところもあるが、
手伝いたい意欲は、おおせいであるらしい。
プーマも、よく働く。
あっちで指示を出したかと思えば、こっちで丸太を支えている。
どうも、他の男たち同様、この作業を楽しんでいるらしい。
そうして更に2週間、時間は費やされた。
およそ1ヶ月で、建物の概要は完成した。
次は、机と椅子の製作がはじまる。これも手作りだ。
平行して、遊び心でもって、各所に装飾がほどこされていく。
そして、
プーマが、町で学用品を買ってくる。
大量の鉛筆とノート、タイ語と英語のあいうえお表。
世界地図、無数の画用紙、はさみ、その他文房具類…
こうした物が部屋を彩ると、なるほど、学校らしくなってくる。
俺の心も、だんだんと昂ぶってくる。
『全ての子供に教育を』