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エピソード25 『全ての子供に教育を』

エピソード25

しかし、

俺の恍惚は、24時間と続かなかった…


翌朝9時、学校に行って、愕然とした。



誰も、登校していないのだ。



いったい何が起きているのか、

俺にはさっぱり、理解ができなかった。

とにかく、目の前の広く新しい教室には、誰一人、居ないのだ。

俺は、学校を出て、村の中心に戻ってみた。


子供たちは、

方々の家の軒下で、一昨日までと同じように遊んでいる…


俺は思わず、そのうちの1組に駆け寄っていく。

俺に気付いた子供は、無邪気に抱きついてきた。

学校をサボって気まずいとか、そういう後ろめたさは微塵も無いらしい…

「学校は?行こうよ。」

と、通じもしない日本語で話し掛けてみたが、やっぱり通じなかった。

他のグループにも、駆け寄ってみた。

しかしやはり、判を押したように同じリアクションしか返ってこなかった。


俺は、あてもなく学校に戻ることにした。

すると、入り口のところに、ちょうどプーマがやってきていた。

4~5歳くらいの男の子を連れている。

俺は、プーマに声を掛ける。

「どうした?」

「どうしたって、それはオレのセリフだよ(笑)

 タクシー、キミ、2日目にしてもうホリデー?」

「ホリデーじゃないよ!俺は9時に来たさ。

 子供たちが誰も来ないから、今、様子を見にいってきたんだ。

 プーマ、そういう君はどうしたの?誰?その子。」

「この子、タクシーの授業を受けたいっていうんだよ。

 まだ5歳だから小学生じゃないけど、キミなら受け入れてくれると思ってさ。」

「たった1人…」

俺は、隠しようもなくうなだれた。

授業どころの騒ぎではないので、その5歳の子には帰ってもらうことにした。

俺とプーマは、教室の中に入り、机に仰向けに寝転がる。



俺は、プーマに問いかける。

「なんで誰も学校に来てくれないんだろう?

 せっかく俺、死ぬほど頑張って学校建てたのに…」

「まぁ、大方、予想はついてたよ。」

プーマは、気まずそうに苦笑いする。

そして、続ける。

「ねぇ、タクシー、

 なんで勉強を強制しようとするの?」


「そりゃ、幸せになってもらいたいからだよ。」


「勉強なんかしなくても、子供たち、幸せそうだぜ?」


「子供たちの知らない幸せが、勉強をすれば手に入るよ。」


「国語なんか勉強しなくても、子供たち、まっとうに喋れるぜ?」


「でも…」

と言い掛けて、俺の脳裏がまぶしくフラッシュした。

「!?」

デジャブを感じた。既視感だ。

何だっけ?これ。

以前にも体験したことがあるような、ないような…


『全ての子供に教育を』

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