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エピソード26

…まったく眠れないまま、

朝の5時ごろになり、寒さはピークに達した。

疲労も眠気も、ピークだった…。

肌のキレイな日本人が薄汚れた連結車両で震えている様は、

圧倒的にミジメでブザマで、場違いだった。


そんな折、 キセキが起きた…!!!

乗客の一人が、

「中に入りなよ」と、 僕に優しく声を掛けてくれたんだ♪

僕は、「自分の席が無いのさ」と、

ミジメに苦笑しながら、彼に説明した。

彼は、それでも尚、

中に入れと促してくるんだ。

僕は、彼の言う通りに、中に入ることにした。

彼は、車両の一番後ろの座席の乗客だった。

一番後ろの座席は、背面の壁との間に、

わずかなスペースを持っていたんだけど、

彼は、薄汚れた僕を、

その僅かなスペースに、招待してくれたのだ!!!


…座れるほどのスペースは無かった。

けれど、

立っているだけでも、

連結車両にいるよりは、ずーーーっと快適だった!!!

ずーーーっと暖かくて、

ずーーーっと清潔だった!!!

ずーーーっと、シアワセだった!!!


彼は、更に、

3人の友人たちと一緒に、

「暖かい笑顔」で、満身創痍の僕を癒してくれたんだ♪

…しまいには、

「席を替わってあげる♪」 とまで、言い出してくれた!!!

3人の友人たちも、それに続いて、

変わりばんこに席を譲ってくれた!!!

誰一人、

メンドクサそうな表情を漏らす人は、いなかった…!!

お陰で、僕は、

最後の2時間ほどは、

ずーーーっと座席に座り続けることが出来た♪


彼らは、

何の対価も、求めてこなかった。

ただ、ただ、

異国の旅人と会話出来ることを、喜んでくれていた♪

みんな、大して英語は上手くなかった。

それぞれに協力し合って、会話を補完させていった。


…何を話したか、

今となってはさっぱり覚えてナイけれど、

彼らが終始、笑顔だったコトだけは、

今でも、忘れない。

「表情が脳裏に焼き付く」

とは、こういうコトを言うんだろう。



一つ、訂正をしておきたい。

僕はこれまで、

「アラブ人はウソ付きが多い!」ってなコトを、繰り返し書いてきたと思う。

けれども、それはあくまで、

「観光客相手の商売をしている人たち」

のことだと、思ってほしい。

一般人や、一般人相手の小売店など営んでる人たちは、

おおむね、優しくて温厚だよ♪

英語を操れる人は少ない傾向にあるけれど、

手を差し伸べる人情は、

むしろ、日本人の平均よりも優秀だろうと思う!!



『導かれし者たち』

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