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エピソード27 『「おとぎの国」の歩き方』



5日目。今日はよく晴れてる。

「ねぇお爺さん?

 ところで、そのカメレオンって村、何なの?」

「ほっほっほ。おぬしのようなパゥオ(勇者)ばかりが集っておる。

 善人だか悪人だか、ようわからんようなやつらがな。

 おぬしはまぁ、例外の部類じゃが、

 龍たちはたいてい、俗社会にへきえきするときがくる。

 自分がやるべきことは他にあると、そう感じるようになる。

 そういう者たちが、導かれておる。己れのダキニにな。

 そこには、龍を持つ者、さらに、その龍を飼いならすことのできた者が、

 集まることになったんじゃ。精鋭揃いということじゃよ。」



真昼に差し掛かる手前くらいだったろうか、

僕はついに、そのカメレオン村とやらに、たどりつく!

驚いたよ!

その景色の美しさにさ!

こりゃまるで、おとぎ話の世界だよ!

殺伐としたアジアの山ん中に、こんな村があるなんて!

村は、山あいの大きなくぼみ、盆地の中にあった。

家屋はヨーロッパ風のとんがり屋根の形をしていて、

それがさ?屋根も壁も、びっしりと緑のツタに覆われてるんだ!

どの家も、この家も、その家も、びっしりと覆われてる。

今日が晴れの日で良かったよ。

日の光に照らされて、ツタは透けるような若草色で、

とんでもなく美しく、光り輝いてる!

ツタにはところどころ、チョウチョが飛ぶように黄色や白やピンクの花が咲いて、

ツタの緑に鮮やかな差し色をしている。

どの家の庭も、庭園みたいに花が植えられ、綺麗に整えられててさ。

「お爺さん!とんでもないね!とんでもなくキレイだよ!

 誰か、有名なデザイナーが設計したの?」

「ほっほっほ。

 元々はな、美のためではなく、目隠しのためのツタだったんじゃ。」

「目隠し?」

「ここは人知れぬ者たちの住む場所。容易に知られては困るからな。」

「こんな山の中だもん。バレたりしないよ?」

「昔はな。そうじゃった。

 しかし、機械の時代が来て、そうも言っていられなくなった。

 飛行機技術が進み、映像技術が進んだなら、

 必ずやよそ者が、この村を突き止め、その平穏を汚すと案じられた。

 そこで、村の者たちは考えた。

 上空から眺めても気づかれないようにするには、どうすればいい?

 その答えとしてひねり出されたのが、ツタによるカムフラージュ。

 家や建造物を、軒並みツタで覆うことにしたんじゃな。

 もちろん、一朝一夕に完成するものではない。

 家をまるごと覆いつくすまでに、10年は掛かったろう。

 村をカメレオンと呼ぶようになったのも、それからじゃよ。」



『「おとぎの国」の歩き方』

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