エピソード28 『トルコで見つけたドラゴンボール』
- ・
- 2023年3月12日
- 読了時間: 3分
昼前には目を覚まして、
ミニバスに乗って、高台の町・ウチヒサルへ向かったよ。
丘のてっぺんに、
奇岩を利用した、ちょっとした美術館があるんだ。
丘の上の美術館は、
コレといって、楽しいモンでもナイ(笑)
くり貫いた奇岩洞窟を探検する気分が、チョっとばかし味わえるのと、
高台からの眺めが、ウリと言えば、ウリだろうなぁ。
美術館を一周し終えると、
近所を、ぶらぶら歩いてみた。
奇岩をくり貫いて造った、立派な土産屋さんがあるよ。
動物の剥製とか、ドリームキャッチャーとか、
およそカッパドキアとは関係ナイものまで、ところ狭しと並んでる。
そこの兄ちゃんが、ノリが良くて、
チャイをごちそうになりながら、ゲラゲラと談笑したよ。
美術館の周りは、普通の住宅地で、
シブい顔した爺さん婆さんが、腐るほどウロついてる。
カメラを向けたりすると、
それぞれに、面白いリアクションをしてくれる。
娘さんと一緒に、道端でストールみたいの売ってて、
カメラを向けたら、母娘そろって、同じようなポーズで写真を拒んでた(笑)
美術館から少し離れて、
改めて美術館の辺りを振り返ってみると、
あの岩山は、 明らかに、
美術館のある部分よりも多く、くり貫かれた形跡がある…
それに気付いた僕は、
再び、岩山へと戻ってみた。
よくよく見ると、
美術館の入り口へ続く道とはまた違う、
舗装されてナイ小道がある…
僕はもちろん、その小道を歩いてみることにした。
小道を歩いていると、子供たちを発見!
大人の僕を見ても、警戒する様子はサッパリなく、
「カモン!カモン!」と手招きしてる。
僕は、俄然コーフンしてきた!!
子どもたちが案内してくれたのは、
美術館とは異なる、壮大な奇岩の城だった。
あっちこっちに、くり貫かれた小窓やドアが見える。
スゲぇ!!
まさに、子供たちの城だぁ!!
きっと、この辺に住む子供たちが、
何代も何代も掛けて、築き上げてきたモノなんだよ♪
彼らは、そのヒミツの城を、
見知らぬ僕にも案内してくれるという。
大人の僕にも、案内してくれるという。
言葉なんて、サッパリ通じない!
「フォト」と「ハロー」しか、通じない!
けど、彼らは、
僕のことを、「仲間だ」と判断してくれたらしい。
そして、
誰もが、満面の笑みで、
自慢の城のアレコレを、僕に紹介してくれる。
何言ってんのか、サッパリわかんない!
けど、
彼らの熱意と愛情なら、これでもかってほど、解る!
子供たちが僕を連れていったのは、
「玉座の間」のような場所だった♪
ココには誰も、
他人を支配しようとする絶対的な王なんぞは、居なかった。
子どもらが作った立派な玉座は、誰にでも、開放されていた。
みんなが、よそ者さえも、
王様気分を味わうコトが、許されているんだ♪
『トルコで見つけたドラゴンボール』