エピソード2 『ハルトの初恋』
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- 2023年4月2日
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エピソード2
…「ゆとり教育」のガキたちを罵ってきたけど、
オレっち自身、アタマがイイのかって言ったら、そうでもナイ。
通知表に、5が付くことは、ほとんどナイ。
いっつも、3と4ばっかりがせめぎあってる。
2も付かないけど5も付かない。
第一、勉強があんま好きじゃない。
自分の興味のあることだったら、もう少しイイ点取れそうな気はするけど、
学校だと、頑張れる気はしない。
たぶん、図工が一番得意なんだろうと思う。
得意じゃないとしても、好きなんだろうと思う。
爪楊枝を何本も組み合わせて、オブジェみたいの作ったり、
トイレットペーパーを千切って千切って、リビングに雪を降らせたり、
そういうバカバカしいことをやっては、親に怒られている。
親は「いたずら」と呼ぶけど、
オレっちは、「アート」なんじゃないかと、勝手に思ったりする。
だいたい、うちの両親は、
近所の公園に、現代芸術家のオブジェが登場したりしても、
「なんだよ、このウンコみたいのは」しか、言わない。世も末だ。
「あなた、来年で中学生になるのよ?」
って溜め息を付かれるが、オレっちは、来年で6年生だ。
息子の年すら、数えられないらしい。世も末だ。
…すると、
「ゆとり教育」が始まる前から、世の中はヤバかったのかもしれない。
昼間のワイドショーとか見ていると、頭が痛くなってくる。
通販ばっかり、途中で挟まっている。
ニュースを伝えるよりも、お金儲けが大事なんだ。
テレビ局っていうのは、猫の肉球のマークなのに、
自然保護よりも韓国人のナマ足にカネを払っている。世も末だ。
カルシウムのサプリメントに、2980円も払うヤツが居るのか?
家に小魚や牛乳くらい置いてあるだろうに、忘れちゃってるのか?世も末だ。
『ハルトの初恋』