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エピソード2 『ミシェル2 -世界の果て-』

エピソード2

 

秘密基地はとても楽しかったけど、

でも、だんだん飽きてきちゃった。

秘密基地に飽きたっていうか、人生に飽きちゃったの。

甘いスイーツも一通り食べて、可愛いドレスも着て、

秘密基地で朝から晩まで自由奔放に遊んで…

私、満たされちゃったのよ。

欲しいものはもう何もないし、やりたいことも何もないの。

心臓がはちきれるような冒険だって、北の森の中で経験しちゃったし、

魔法の妖精だってそばにいる。

だからって別に、鬱になって自殺考えたりしないわ。

困ったことがあったら、ウィリアムスさんに相談するのよ。


「…というわけでね、

 私、人生に飽きちゃったみたいなの。

 やりたいこと何もないし、人生にハリがないわ。」

「ははは。キミらしいね。

 それじゃ次は、恋愛でもしたらどうだい?」

「恋愛!?それって私が一番興味ナシなゲームよ。」

「知ってるよ。ミシェルは恋愛を好むタイプじゃない。

 でもキミ、恋愛を知ったうえで嫌いと言ってるわけじゃないだろ?」

「そりゃまぁ、そうだけど。」

「恋愛って、一番難易度が高いゲームさ。

 この秘密基地のどの遊びより難しいし、

 学校の勉強よりも、農業よりももっと難しいよ。」

「そうなの?」

「そうだよ。

 恋愛は、相手があるからね。

 人の心は、なかなか思い通りにならないさ。」

「そう?恋愛なんて、プレゼント贈ればイチコロでしょ?」

「プレゼントになびくようなタマかい?キミは。」

「なびかないわ。」

「そうだろ?

 まぁ、キミ以外の女の子は案外、プレゼントでなびいちゃうけどさ。

 『付き合う』だけなら、そう難しくないよね。誰でもできる。

 でも、『愛される』ことはどうだい?そう簡単じゃないさ。

 どんなに高価な贈り物をしたところで、

 『なびいてはくれる』かもしれないけど、『愛されはしない』さ。

 それに気づかないから、世の紳士淑女たちは、

 不毛な恋愛ばっかりしてるわけだけどさ。

 『愛される』ことは難しいし、

 『愛している人に愛される』ことはなお難しい。

 世界の果てを見つけるぐらい、難しいさ。」

「私、誰を愛してるの?」

「ははは!それは僕にはわからないさ。」

「私、誰も愛してないわ。」

「そうだろうね。今は。

 ははは!なおさら難しいな!キミのゲームは!

 それこそ、世界の果てを見つけるぐらい難しい。

 1つヒントがあるよ。

 キミんち、親御さん同士は仲良いんだっけ?ラブラブかい?」

「わりと良いんじゃないかしら。」

「キミのママ、旦那さんを愛してるかな?」

「そうね。ママがパパを追いかけたって聞いたことあるわ。」

「だったら話は早い!キミはホントに良い家庭に生まれたね!」

「なによ?どういうこと?」

「母親がダンナにゾッコンな場合、

 その娘ってのはさ?パパと似たような男を好きになるよ。大抵さ。」

「うそ!?」

「ホントだよ。まぁ、あくまで『傾向』だけどね。

 大体、娘のオトコの好みは、母親に似るね。」

「バグパイプ吹くような男?

 昔住んでたイギリスならまだしも、この国にはいやしないわ。」

「あははは。バグパイプ吹いてるかどうかはわからないよ。

 とにかく何かしら、2つか3つの要素はパパと共通する男に、

 ミシェルも惚れるんじゃないかな。」

「まぁ、パパのこと嫌いじゃないけど。」

「そうだろ?きっとキミもそうさ。」

「ふうん…。」


結局私は、恋愛ゲームに打ち込んだりしなかったわ。

男子ってやんちゃすぎるのよ。子供っぽいの。荒々しいしね。

恋愛しようと思ったって、トキメキを感じる人がいないんだから、ムリってもんよ。

だから私は、ものを作ったり絵を描いたりしながら過ごしたわ。

キャロルと一緒に。ナンシーと一緒に、ね。


『ミシェル2 -世界の果て-』

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