エピソード2 『伝説の教師 -金八さんのその先に-』
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- 2023年3月20日
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エピソード2
取り残された僕は、仕方なく、一人でとぼとぼ廊下を引き返しました。
学部長の話は、いったい何だったんだろう?
あの人は僕をからかっているのか?僕が教師に向いていないだなんて…
それに、教員試験を諦めて沖縄に旅行しろだって?馬鹿げてる。
…でも、
学部長を悪く言うような話は、聞いたことがない…
他校で教えていたのをわざわざ引き抜きしてまで、ウチの学部長に任命したらしいし…
でも…
教員試験を延期するなんて、ウチの親が許すだろうか?
…許すはずがない…
ひょっとしたら僕よりも、僕を教師にしたがっているんだから…
うちの親は、両親ともに教師なのです。
案の定でした。
家に帰って早速、「沖縄に行こうと思う」と話すと、
両親ともに、目に炎をメラつかせて、鬼のような形相です。
「お前、何言ってるんだ!駄目に決まってるだろう!」
「でもお父さん?これ、僕の未来のためなんだよ。
最高の教師になるために、ある人に話を聞きに行くの。」
「…おまえ、見え見えのウソを付くのはやめろ!そんな子じゃなかったはずなのに…
どうせバカンスしたいんだろう?現実逃避したいんだろう?」
「ウソなんかじゃないよ!、現実逃避じゃないよ!」
「ウソを付くヤツはみんな、『ウソじゃない』って言い張るんだ。
くだらないザレ事は、もうおしまいにしろ!」
…駄目だ。ラチがあかない…
『伝説の教師 -金八さんのその先に-』