エピソード2 『花ちゃんのつぶやき』
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- 2023年4月12日
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エピソード2
一部の人間たち…全体の1%程度でしょうか…は、
私たち植物が意識を持ち、会話出来ることを、知ってくれています。
なので、
「おはよう!今日も可愛いね♪」
とささやきながら水を掛けてくれたり、
美しいクラシック音楽を掛けながら栽培してくれたり、します。
「実は…真水よりも、薄めた紅茶を飲みたいのだけど…」
とささやくと、
それを聞き取り、聞き入れ、
水の代わりに紅茶を掛けてくれる人間も、居ります。
…まだ、地上に3名ほどに過ぎませんが…。
また、私たちの声を聞き取ってくれなくても、
私たちに話し掛けてくれる人間でしたら、
数百万人規模で、存在しているのです。
…でも、
フシギなことに、彼らのうちのほとんどは、
私が見ているその部屋の中で、
旦那さんをだましたり、子どものお年玉を抜き取ったり、します。
一体、
私たち「花」がその決定的瞬間だけ、
目を反らしているとでも、思っているんでしょうか…?
それとも、
「どうせ『花』には、
告げ口することも、罰を与えることも、出来やしない」
と、考えているのでしょうか…?
私たち「花」から見ていると、
日本人というのは、どうも、
そのような傾向が強いのです。
誰かが見ている場合には、優しいのですが、
誰も見ていない場面や、相手にばれそうもない内容になると、
途端に、不誠実になってしまいます…。
…そのような内容のことは、
私たち「花」の親戚のような関係にある、
「鉱物」や「天使」も、漏らしておりました。
「鉱物」の一種であるローズクオーツの友人は、
こう申しておりました。
「私ね?
ある、クリスタル・ショップで、売られてたの。
店主は、まぁ愛想のとても良い、勝気な女性だったわ。
彼女は、スピリチュアルとか、チャネリングとか、
そういう話が大好きなのよ。
スピリチュアルとかチャネリングとかっていうのは、
つまり、人の心の奥底を見透かす分野よね?
カギの掛けられたドアの奥を、見透かす分野よね?
つまり、彼女のお店には、「真実を見透かす能力」のあるお客さんも、
大勢、訪れるのよ。
ローズクオーツである私と、会話していくお客さんも、居たわ?
…そのことは、店主は、充分に承知のハズよね?
それなのに、なぜか、
店主は、嘘を付くのよ。
カタチがイビツで、売れ残りだった私に、
『店長のオススメ!』というシールを、堂々と、貼り付けたの。
おかげで私、翌日に、『お嫁に行けた』んだけれども。
…わかるかしら?
「真実を見透かす能力」のあるお客さんが、大勢訪れるのに、
『店長のオススメ!』なんて、真っ赤なウソを付いてしまって、
恐ろしくは、ないのかしら?
私が『お嫁に行った』お家は、
他にもたくさん、『鉱物』のお仲間が居たのだけれど、
彼らと話をしてみると、
どうやら、どこのクリスタル・ショップも、同じようなものなのよ。
100円で仕入れてきたガーネットに、800円の値を付けて、
『大特価!』のシールを、貼るんですって。
…人間にとっては、
100円で仕入れたものを8倍の値段で売ることが、
『大特価!』なのかしら?」
…とまぁ、
友人のローズクオーツは、そう申しておりました。
『花ちゃんのつぶやき』