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エピソード33 首長の村の掟 -真実の物語-』

メーホンソン行きの長距離バスは、

チェンマイの長距離バス・ターミナルから、出ている。


メーホンソン行きは、

大きな観光バスと、

小さなライトバンと、2種類あるらしかった。


観光バスのほうが、断然、快適であるらしく、

旅行者はたいてい、バスを選ぶらしかった。


すると、僕は当然、

ライトバンのほうを選んだ(笑)



現地人ばかりが周りに居るほうが、面白いし、

現地人の暮らしが、理解出来る。


僕と同じような価値観を持つ旅人も、

まぁ、2割くらいは、居る。

そして、今回のライトバンには、

その「2割」の中に、日本人の女の子が、含まれていた!

ユミちゃんという、小柄な、19歳の女の子だった。



彼女とは、たくさん喋ったが、

ずいぶんと、たくましく、面白い子だった!

これが、初めての海外だと言う。

まぁ、19歳であれば、それも頷ける。

英語は、特に習ったりしたことは無いが、

学校の授業のウロ覚えで、巧みにやりくりしている。

彼女は愛想が良く、独特の、心地よいイントネーションで、

小気味よい英会話を操っていた。

魂が、英語を知っているのだろう。

(いや、たいてい誰の魂も、英語を知っているが。)


彼女も、

昨日まで、山岳民族のトレッキングに、参戦していたらしい。

体力があるわけではなく、「死ぬかと思った!」と笑っていた。

死ぬかと思える体験を、笑い飛ばせる人が、「旅人」である(笑)



僕は、

「ユミちゃんも、少数民族の暮らしに、興味があるんでしょ?」

と、当然なことのように、尋ねた。


「ん?うーん、ちょっと違うような…

 確かに、彼らの暮らしにも、興味はあるんだけど、

 私の場合、『民族衣装』に興味があるんだよねー。

 私、服飾の学校に進んだの。

 色んな服を作れるようになりたいから、

 民族衣装を間近で観察したくて、

 タイの山奥まで、来てみたんだー!」


「へーーーっ!!」

僕は、偉く感心してしまったし、偉く驚いた。


僕はてっきり、

山岳民族のトレッキングに参加する人たちは、みんな、

「ウルルン滞在○」のようなものに憧れているのだと、思い込んでいた。

けれども、

そうとは限らないのだ!

ユミちゃんのように、その衣服にだけ、興味を示す人も、居る。

あのフランソワのように、山登りの一環として、選んだ人も、居る。


マニアックな、同じ場所に居ても、

同じ動機であるとは、限らないのだ!!

世界には、様々な人がいるのだ!!



そして、

彼女のように、特定の分野を強烈に探求する人間に、敬意を感じる。

…いや、

特定の分野を探求するために、

いつも同じ空間に閉じこもっている人には、敬意は感じない。

興味ある分野のために、

普段とはぜんぜん違うフィールドにも、飛び込んでいくような人間に、

僕は、敬意を感じるのだ!

服飾というのは、超インドアな分野であり、

タイの山岳トレッキングというのは、超アウトドアなフィールドだ(笑)


彼女のように、

一つの確固たる興味を持っていながらも、

且つ、幅広い場所に足を運び、様々なものを謙虚に吸収する人は、

必ず、その道において、革新的な何かをやり遂げるだろう。

無名であっても、何か、やらかしているだろう。


『首長の村の掟 -真実の物語-』

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