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エピソード34 『トルコで見つけたドラゴンボール』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月12日
  • 読了時間: 2分

翌日は、ブルーモスクのそばの公園で、

のんびりとしていた。


すると、

ある若い男の子に、

「お店に来てほしい」と、声を掛けられた。


「僕、じゅうたんを買う気なんてナイよ?」

と言っても、

それでもいいから、来てほしいという。



前にも書いたかもしんないけど、

僕は基本的に、

声を掛けられれば、ノってしまう。

もし大変なコトが起こりそうなら、

その時に対処をすればイイからさ。


なにしろ、

全ての誘いを断ってしまうと、

旅は、まったくツマラナイものになっちゃう…

本当にイヤなときに、「NO!」

とハッキリ言える強さがあるならば、

たいていの誘いには、

笑顔で応じてしまったほうがイイと思うよ。

ただし、

クスリや酒やセックスをチラつかせるようなヒトは、別だけど…



そうして、男の子に着いていくと、

ブルーモスクから10分ほど歩いた場所に、

小さな土産物屋があった。


中のデスクには、

平井堅によく似た顔のトルコ人が、ニコニコ顔で座ってた。

そして、彼の来ている服には、

漢字交じりの文章が、たくさん書かれてた。

「あ、日本語だ!」

と声に出していうと、


「そうです。

 私、日本が大好きなんです♪」

と、かなり流暢な日本語が、返ってきた!



彼は、日本人の奥さんと一緒に、

ココで土産物屋を営んでいた。

そして、

日本人の旅行者が、何か困ったコトがあったときに、

手を貸しているのだという。

じゅうたんの説明は、

相手に求められたときにしか、しないのだそうだ。



そのまま、彼とたくさんの話をして、

結局、夕飯も、彼の家でご馳走になってしまった。


彼の家には、

日本文化に関するものが、たくさん飾られていた。

本当に、日本が好きなんだよ。



彼は、僕が見聞きした中では、

最も誠実なじゅうたん屋だった。



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