イスタンブールに戻ってきてから、計3日ほど養生して、
僕の体力は、ようやく戻ってきた。
そして、僕の心が出した答えは、
「さすらいたい!」
というものだった。
スケジュールは大幅に変更して、
とりあえず、東の大都市・エルズルムへ、
飛行機で一気に飛ぶことにしたよ。
エルズルムは、
夜行バスではたどり着けない距離にあるけれど、
飛行機なら、2時間で着けちゃう。
イスタンブールで出会う人々に、
「次は東に飛ぼうと思っている」と話すと、
決まって、同じような返事が返ってきた。
「東なんて止めておけよ!
どうしても行くっていうなら、
クルド人には、じゅうぶん気を付けることだ。
ヤツらは、バカで野蛮だからね!」
僕は、少し不安になった…。
エルズルム行きの飛行機に乗ると、
隣り合わせになったのは、
その、東の民・クルド人の男性だった!
若いけれど、大学教授をしているそうで、
難しい英語をたくさん知っていた。
けれど、彼は、
僕の語学力に合わせて、 一生懸命、
易しい表現方法を探し、ゆっくりしゃべってくれた。
彼は、教授の名に恥じず、
知的好奇心が旺盛で、日本のコトをたくさん知りたがった。
そして、トルコのコトを何でも教えてくれた。
…僕が初めて出会ったクルド人は、
バカでもなければ野蛮でもなく、
むしろ、その正反対だった!!
『トルコで見つけたドラゴンボール』