top of page

エピソード35 『トルコで見つけたドラゴンボール』

イスタンブールに戻ってきてから、計3日ほど養生して、

僕の体力は、ようやく戻ってきた。


そして、僕の心が出した答えは、


「さすらいたい!」


というものだった。



スケジュールは大幅に変更して、

とりあえず、東の大都市・エルズルムへ、

飛行機で一気に飛ぶことにしたよ。

エルズルムは、

夜行バスではたどり着けない距離にあるけれど、

飛行機なら、2時間で着けちゃう。



イスタンブールで出会う人々に、

「次は東に飛ぼうと思っている」と話すと、

決まって、同じような返事が返ってきた。


「東なんて止めておけよ!

 どうしても行くっていうなら、

 クルド人には、じゅうぶん気を付けることだ。

 ヤツらは、バカで野蛮だからね!」


僕は、少し不安になった…。



エルズルム行きの飛行機に乗ると、

隣り合わせになったのは、

その、東の民・クルド人の男性だった!

若いけれど、大学教授をしているそうで、

難しい英語をたくさん知っていた。


けれど、彼は、

僕の語学力に合わせて、 一生懸命、

易しい表現方法を探し、ゆっくりしゃべってくれた。


彼は、教授の名に恥じず、

知的好奇心が旺盛で、日本のコトをたくさん知りたがった。

そして、トルコのコトを何でも教えてくれた。



…僕が初めて出会ったクルド人は、

バカでもなければ野蛮でもなく、

むしろ、その正反対だった!!


『トルコで見つけたドラゴンボール』

bottom of page