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エピソード3 『マイウェイ -迷路の町のカロリーナ-』

私たちの学校は、お昼ごろには終わる。

ランチは学校でではなく、家で食べるのよ。

ううん。今日は家では食べないわ。

サンドイッチを持っていって、広場で食べるの。時々ね。

ヴェネチカには、サンマリノ広場っていう大きな広場があるのよ。

学校を終えた子供たちが、たくさん広場に遊びに来てる。

だったら最初から、広場で授業すればいいのにね。大人ってバカなのよ。

施設をたくさん造らないと、気がすまないの。

子供たちだけじゃないわ。大人も大勢、憩いに来てる。

私みたいにサンドイッチを食べてるか、

そうじゃなかったら眠ってるわ。昼寝してるの。

2時くらいまでずーっと寝てるわ。

そんなに休憩してて、大丈夫なのかしら?

大丈夫よ。みんな休憩してるんだもの。誰も切手買いに来ないわ。

ランチ食べたら眠くなるからね。ムリに働くより、昼寝するほうが賢いわ。


広場に面して、大きな教会があるの。サンマリノ教会。

教会には、大きな大きな鐘楼があるわ。この町で一番高い。

2時になると、ガラーンゴローンって、鐘が鳴るの。町中に鳴り響く。

それを合図に、大人たちは午後の仕事を始める。

あの鐘、誰が鳴らしてるのかしら?

いつか私、コッソリ鐘楼にもぐりこんで、

1時50分にあの鐘鳴らしてやるんだから!

そう企んでたのに、いつの間にか13歳になっちゃった!

マズイわ。そういうイタズラは12歳までにやっておかないといけないのよ。

そうじゃないと、良い大人にはなれないの。ルチアーノにやらせるしかないわね。


最近、この広場は、ただの遊び場じゃなくなってきたの。

クラシックのコンサートが開かれるのよ。

ヴェネチカに訪れる観光客が増えてきて、

そのお客さんを喜ばせるために、

広場に面した高級レストランが、コンサートをするようになったの。

毎日毎日やるわ。昼も夜も。

レストランのお客じゃなくても、演奏が聞けるのよ。屋外でやってるから。


意外なことが起きたわ。

弟のルチアーノ、コンサートに釘付けになっちゃったの。

「僕も楽器をやりたい!サックスを吹くんだ!」って言うのよ。

サックスじゃなくて、あの鐘を鳴らしてほしいっていうのにさ、

この子はぜんぜん、私の思い通りにならないの。

「サックスを買うお金なんて無い!」ってパパは反対したんだけど、

あの子ったら、角を4つ曲がったトコにある骨董品屋さんで、

安いサックス見つけてきちゃった。

ボロボロなのよ。サビついて真っ黒。でも、音は出るの。



『マイウェイ -迷路の町のカロリーナ-』

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