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エピソード3 『ミシェル2 -世界の果て-』

エピソード3

やがて私は18歳になったわ。キャロルだって16よ。信じられる?あの子が16なんて。

ずっと7歳のままかと思ってたけど、人って成長していくものなの。

私は大学に進学して、哲学を勉強することにしたの。

哲学ってつまんないのよ?でも他の学科はもっとつまんないじゃない。

勉強なんて別にしたくもないけど、

かといってほかにやりたいこともなくなっちゃったし。

やりたいことは全部、家と秘密基地でやっちゃったからね。

とにかく哲学を学ぶことにしたのよ。

私は、秘密基地のウィリアムスさんに報告しに行ったわ。


「哲学か。いいじゃないか。

 最も就職の役に立たないけど、最も人生の役に立つ。

 じゃぁミシェルに、1つ宿題を出そうかな。」

「宿題?」

「そうだよ。哲学の宿題だ。

 『愛』とは何か?」

「もう。私そのゲーム、嫌いなんだってば!」


哲学の授業では、愛についての先人の知恵も学ぶ。

みんな色んなこと考えてんのよ。

恋愛についての戯言ばかりかと思ったらそうでもなくてね。

「最も高貴な愛は神への愛である」なんて言うわけ。

神様を愛してもデートなんてできないし、プレゼントも貰えないけど、

それでも神様を愛してやまない人たちがいるのね。

ウィリアムスさんが出した宿題の答えは、これかしら?

でも教科書に書いてあるようなことを、ウィリアムスさんが求めるとは思えないわ。

彼は「実践派」だもの。

私、愛について哲学の教科書読んでたら、

むしろ愛よりも文章の読解力が身に付いちゃった。

哲学の文章って難しいのよ。小難しいの。

たぶん彼らは、愛を知らないわ。

だって、こんな小難しいことばっかり書いてても、女の子は読めないから。

だから女の子と恋愛してないのよ。ろくに。

ウィリアムスさんも言ってた。

「『哲学すること』には意味があるけど、

 哲学の教科書を丸暗記しても意味が無い」ってね。

なによ。じゃぁ私、何を読んだらいいわけ?またやることなくなっちゃった。

結局大学も、中途半端になっちゃったわ。

人生に「飽き」を感じるのって、私くらいなのかしら?


『ミシェル2 -世界の果て-』

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