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エピソード3 『私の彼は有名人』

エピソード3

色々と頭をひねってみたけれど、

私にはやはり、律儀にライブを観に行く以外に、彼に近づく方法が無かった。

私は、翌週もその翌週も路上ライブを観に行き、

そして、ライブハウスのライブも、観に行った。


ライブハウスなんていうのは、

私にとっては初めての経験だった。

とても怖いところかと思っていた。漫画やドラマでは、そういう印象を受けた。

けれども、彼の出演するライブハウスは、そんなに怖くはなかった。

アコースティックなミュージシャンの多いライブハウスは、

たいていどこも、あんまり怖くないらしい。良かった。


ライブハウスのスポットライトを浴びると、

彼はいっそう、格好良く見えた。繊細そうに見えた。

彼の番になると、

10人ほどの女の子たちが、最前列に乗り出してくる。

つまり、彼目当てのお客さんが、10人ほど居るようだった。

私は、最前列には加われなかった。

横の長ソファに腰掛け、一歩引いたところから、

ちびちびとカシスオレンジを飲みながら、ライブを観ていた。

そして、最前列の女の子たちを、見ていた。


…このコたちもきっと、彼のことがスキなんだろうなぁ。


きっと、私が抱いているのと同じような感情を、彼に向けているんだ。

ライバルが10人もいる。

私は、胸が締め付けられる思いをした。


『私の彼は有名人』

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