エピソード3
…いや!
「ストイックに音楽をやっているバンド」なんて、
1割も居ねぇよ。
「メジャー・デビューを目指すこと」と、
「ストイックに音楽をやること」は、相容れねぇんだ。イコールじゃ無ぇんだよ。
何しろ、
「ストイックに音楽をやっている」だけじゃ、ファンは付かねぇんだ。
ライブハウスに足を運んだこと、あるか?
近年のライブハウスってのは、
まるで、ホストクラブさながらだよ。
バンド・マンたちは、
ファンのオンナのコたちに、「接待」するんだ。
一人ひとりに顔色伺って、
「今日は、来てくれてありがとう!
あれ?髪切った?似合ってるねぇ」
なんて、おべっかを使いまくるんだ。
しまいには、
ライブ終了後に、「駅までお見送り」とか、
「打ち上げに同伴させる」とか、
私生活でも、付き合いたての恋人同士みたいなメールをするとか、
もう、目も当てられねぇ!
でも、
集客数の良いバンドってのは、
そういう、愛想の良い「ホスト・バンド」ばっかりだよ、実際。
ハッキリ言って、
ライブハウスに来る女のコたちに、
音楽の善し悪しを聞き分ける耳なんて、無いに等しいよ。
ギターとベースの違いすら解って無いんだから、
音楽の善し悪しなんて、100年先まで解らねぇって!
『虚像のバンドマン』
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