エピソード4
アオミ姫は、まよいました。
姫を辞(や)める、絶好のチャンスです!
でも、
家出なんてして、生きていけるんでしょうか?
アオミ姫は、リンゴの皮すら、むいたことがないというのに…
「えーい!
もう、どうにでもなっちゃえ!!
どうせ、この部屋にいたって、
死んでるのと変わらないわ!!」
アオミ姫は、
部屋の窓を開けて、そうじ夫(ふ)の足場に、ふみ出しました。
「きゃー!!
こんな細い通路、歩けないわよ!!」
「そんなら、部屋にもどるか?
地獄(じごく)みたいな姫生活に、もどるか?
どっちでも、エェんやでぇ?」
「うぅ…
もう、姫生活はコリゴリなんだった…!」
「そんなら、
死ぬ気でがんばるしか、ナイわなぁ。」
ホトミは、
窓から顔だけのぞかせて、ノンキに笑っています。
アオミ姫は、
ブツブツ文句を言いながらも、
尻込(しりご)みしながら、四つんばいで、
不安定な足場を、歩いていきました。
「ほほほー!
やれば出来るやないかぁ!」
ホトミは、たのんでもいないのに、姫のあとを着いてきました。
『アオミ姫』