エピソード4
あれは、
ねむりあの樹じぇれみーが、
100万歳の誕生日を迎えたときのこと…
樹が100万歳まで生きることって、めったにナイ。
だから、
じぇれみーを祝福するために、
宇宙各国から、たくさんの来客があったんだ。
ナメック星人も来たよ。
あの星のヒトたちは、かなり植物を愛してるからねぇ♪
サイヤ人は来ないよ。
戦ってばかりいるから、ねむりあの国には、入れないよ。
来客者たちも、住民たちも、
じぇれみーのそばに寄り添って、憩いの時間を過ごしてた。
根元でお昼寝しながら、エネルギーを充電するヒト。
木登りしながら、体力作りするヒト。
小鳥たちと、ハミングするヒト。
果実を食べて、腹ごしらえするヒト。
旅の途中に、枝で一休みする渡り鳥。
内側に入って、住んじゃうヒト。
枝を折り取って、木工品に加工するヒト。
生い茂る梢で、迷路ごっこをするヒト。
生い茂る梢で、雨宿りするヒト。
じぇれみーに人生相談するヒト。
…気付いた?
たった樹一本で、
僕らの生活に必要なモノゴトは、全て、賄えられるんだ…!!
気付いた?
ホントに、気付いた??
キミ、
そんなにたくさん、お金を抱え込まなくて、平気ってコトだよ?
食べる物が無ければ、樹の実をかじればイイのさ。
人生に迷ったなら、樹に相談すればイイのさ。
レジャーしたいなら、樹登りして遊んだらイイのさ。
つまり、
樹を有効活用するテクニックを持てば持つほど、
生活費は掛からなくなるし、お金も不要になるんだよ♪
このコト、
キミが大人になっても、忘れないようにね?
ぜーーーーーったい、忘れないようにね??
人間っていうのは、
大人になればなるほど、大切なことを、忘れていっちゃうんだ。
経済白書とか星占いとか「ワンピース」とか、読み過ぎだからさ。
ところで、
じぇれみーは一人しか居ないのに、
同時に、無数の友人達をおもてなし出来るんだよ。
じぇれみーに限らず、
樹って、そういうモノなのさ。
だから、
およそ1万人ものヒトたちが、一度に、
じぇれみーと戯れ合っていたよ。
木の実をむしられても、枝を折られても、
じぇれみーは、泣き言一つ、言わなかったよ。
なぜかわかる?
自分のカラダを他人に活用してもらうことが、
嬉しくて嬉しくて、たまらないからさ♪
じぇれみーは、愛のカタマリなんだ。
樹は、愛のカタマリなんだ。
象のさむすんが、
すべり台のマネをして取り組んでたのは、
まさに、じぇれみーになるレッスンだったんだよ♪
『イーストエンドは西の果てⅡ』