エピソード4 『ドヴォルザークの再来』
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- 2023年4月5日
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エピソード4
ナカジマさんは、「音楽バカ」でも、無かった。
「人生は、音楽以外にも大切なことがたくさんあるのだ」
ということを、深く理解している、偉大な人格者だった!
僕らの代の前後は、
なぜか、男子部員がメチャクチャ多かった(笑)
60人ほどの部員のうち、1/3くらいが、男子だった!
しかも、
「静かでおしとやな…」ってカンジの男の子は、
ほとんど、居ないんだ!
たいていみんな、
スポーツが、音楽と同じくらい大好きだった。
スポーツテストの学年上位に、
吹奏楽部員が、何人も名を連ねちゃうほどだった(笑)
僕らは、
一年で最も大事な、夏のコンクールの直前でも、
朝、練習開始時間より、1時間以上も早く登校して、
バスケット・コートに侵入して、バスケに夢中になった(笑)
ナカジマさんでも、サスガにそれは怒るだろうと思ったから、
僕らは、最初のうちは、
彼には何も言わずに、コッソリとやっていた。
…でも、
朝から1時間もバスケをやってから音楽室に行けば、
服の汚れ具合や汗のかきっぷりで、
「何かおかしいぞ!?」っていうことが、すぐにバレてしまった(笑)
ナカジマさん、
どんな対応を取ったと思う!?
なんと、彼は、
僕らよりも更に早い時間に来て、
バスケット・コートのカギを、開けてくれたのだ!!
「くたびれ過ぎないようにな♪」
って、カタチとして釘を刺すだけなんだ。
…いったい、
なんて懐の深いドヴォルザークなんだろう!?
『ドヴォルザークの再来』