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エピソード4 『私の彼は有名人』

エピソード4

彼は、1~2ヶ月に1度くらいのペースで、ライブハウスに出演した。

2回行って3回行くと、わかった。

どうも、彼のお客さんは、毎回固定のメンバーで、いっこうに増えていかない…


なぜだろう?

彼の音楽は、とても素晴らしいのに。

私は、昔バイオリンをやっていたので、

彼の音楽が、音楽芸術としても一級品であることが、よく解る。


3回目のライブでは、そういう点に注目して、眺めてみた。

「集客能力の差」を計りながら、対バンのミュージシャンたちも眺めたのだ。

そして、気付いたことがあった。

他の、ファンの多いミュージシャンは、愛想がとても良い。

MCでも、ファンの女のコを名指しでいじったりするし、

演奏終了後には、わざわざ自分で、アンケート用紙を手配りしている。

自分のファンのコにもそれ以外のコにも、

満面の笑みで話しかけ、冗談を飛ばしまくっている。


そうか。

音楽以外の部分で、集客に大きな差が出るのだ。


私は、生意気であるのを承知で、

彼に、その気付きを話してみた。

「あのバンドのボーカルさんみたいに、

 お客さんにお愛想してみたら良いんじゃないですか?」

と。

喜んでもらえるかと思ったのに、そうもいかなかった。

彼は、困惑の表情を浮かべて言う。

「それがファン獲得に有効なのはわかってるんだけど…

 僕はホストがやりたいんじゃなくて、音楽で勝負したいから…」


私は、自分の浅はかな助言を、ひどく恥じた。


『私の彼は有名人』

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