エピソード5
オレらのデュオの特徴を、紹介したいと思う。
オレの相方は、
とても良い曲を書く!
詞もメロも良いし、転調の使い方なんかもすごく上手い!
正直、オレは、
アイツの曲に影響を受けて(真似て?)書いた曲が、
幾つもある。
ある意味、アイツは、
オレの作曲の師匠みたいな存在だったりする。
更に、声も良い!
テナー音域よりも更に高いところまで出るし、
お腹から、強い声が出るし、
かと言って、優しい、癒し系の唄い方をする。
ヤツは、唄うために生まれてきたのだと、解る。
オレの良いところというのは…
なんだろう?
曲は、それなりに書ける。
けれど、
「オマエはいつも、字数が多過ぎる」
と、相方に指摘されている。
10年指摘されてきて、
ようやく、治ってきた感がある。
以前までは、
「字数が多過ぎたって良いじゃんか!」
ってホンキで感じていたけれど、
ある大御所ミュージシャンとコラボするようになってから、
簡素な言葉を、少ない音符数で歌う(作る)ことの重要性を、
理解出来るようになった。
時代を超えて唄い継がれる名曲たちの中に、
早口言葉みたいな聞き苦しい曲は、見当たらない。
作った本人しか唄えなさそうな曲って、
今になって思うと、カッコ悪い。プロ失格な気がする。
…否!
早口言葉みたいな曲も、たまにはあっても良いと思う。
たまに作る分には、それは「味」だし、「引き出しの広さ」だ。
けど、
早口言葉みたいな曲しか書けない人は、
「歌詞を丁寧に練りこむ」って作業を、怠っているのだ。
以前のオレが、その一人である。
するとオレは、「曲作り」ということには、
あんまり自信が無いのかもしれない…
シングルのA面曲は、たいていオレの曲ではあるんだけど…
『ゆずと林檎』