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エピソード5 『クラシックの革命児』

エピソード5

場面は、

冒頭に書いた無料コンサートの会場に、移るよ?



会場は、大きな市民会館だった。

私営のホールよりは、公共施設のほうが安く開催出来るよね。


ロビーでプログラムを配っていたのは、

その楽団のメンバーの友人達であるらしかった。

ボランティアってことさ。

けれども、クラシックやコンサートに精通した人たちさ。

専門家みたいなモンだけど、お金が掛かってない。

クラシックを愛して止まないような人たちだから、

無報酬だというのに、笑顔が爽やかで、丁寧だった。

つまらなそうな顔で接客するヒトは、誰もいなかった。


ロビーには、

記念グッズを販売するブースなんて、一つも並ばない。

「飲食禁止だけどロゴ入り饅頭は販売する」

なんて理不尽なことも、していない。

彼らは、「音楽を聴かせたい」のであって、

「お金儲けしたい」ワケでは、ナイんだ。

まぁ、クラシックのコンサートは全般的に、

「卑しい便乗商売」には、あまり手を伸ばさないだろう。

出演者のCDを売るくらいな程度さ。



対して、

ポップスやロックのコンサートだと、

ポスターからテレカから、お箸とか、ストラップとか、

およそ音楽とはカンケイのナイ物まで、販売しまくるよね(笑)

グッズを全部揃えるとなると、

アルバム1枚の何倍ものお金が掛かる(笑)


ファンクラブに入るような熱心なファンたちは、

使いもしないお箸やストラップまで、熱心に買い込む。

それが、「ミュージシャンの生活を潤すことに繋がる」と、信じて止まない…


けれど、真相はと言えば、

たとえファンが1,000円のポスターを買っても、

ミュージシャンの懐に入るお金は、ゼロに等しいんだよ(笑)

せいぜい、1円か2円か…。


グッズを売っているのも、潤っているのも、

「ミュージシャンの事務所」と、提携を結んでいる「卑しい便乗会社」に過ぎない(笑)

「便乗会社」が提携を結んでいるのは、あくまで、「事務所」だから、

マージンみたいなのは、あくまで、「事務所」に入る。ガッポリ。

1,000円のポスターの500円くらい(笑)

ポスターの原価なんて、50円もしないよ?


…もう一度言うけど、

それでミュージシャン本人に入るのは、1円か2円(笑)



キミ、まだポスターやらウチワやらを、買い続ける?


…っていうか、キミが応援しているミュージシャンは、

お箸やストラップを熱心に買ってあげないと食べていけないような、

マイナーなヒトなの?

オリコンのトップ10に入るようなグループだったら、

CDの売り上げだけで充分、大儲けしているよ?



ミサは、

そういう、「大儲けしている有名なミュージシャン」にお金をつぎ込むよりも、

ボクみたいな、「信念を持ってるけど誰も理解してくれない人間」に、

自分のお給料を、注いでいるよ?

ボクだけじゃなく、

「すごく良い音を作るのに無名」なアーティストのCDなんかを、

よく買ってくる。ジャンルを問わず、ね。

「私みたいな人間がお金遣ってあげないと、

 彼ら、新しい音源作れないでしょ?」

って、サラリと言っているよ♪


『クラシックの革命児』

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