僕は次に、
イスタンブール観光の目玉とも言える、
ブルーモスクの敷地内に入っていった。
大きなイスラム・モスクの前に、
大きな庭園があるんだ。
広々とした芝生の青さが、美しくて、
大勢のジモティや観光客が、憩いでいるよ。
芝生のそばを歩いていると、
小学生たちの大群に出くわした!
30人か50人か、とにかく大勢だ!
おそらく、社会科見学か何かだったんだろうさ。
彼らは、ギターを背負った東洋人を見つけると、
スターか何かとカンチガイしたのか、
ものスゴイ勢いで、僕を取り囲んだ!
まるで、
逆転サヨナラホームランを打った4番打者みたいな、
ものすごい歓迎っぷりさ!
彼らに促されるままに、
ギターを取り出して、歌を唄った。
彼らは、心の底から喜んでくれた!!!
聞いたコトもナイ言語の、聞いたコトもナイ曲なのに、
そんなコトはお構いナシのようだった。
僕には、さらに秘策があった!
海外放浪用に作った曲で、
サビの部分をみんなで「ラララ♪」と唄うのが、あるのさ。
「コレコレこんなふうに唄うんだよ」
と、カンタンな英語と実演で説明してみると、
思いのほかきちんと、通じていた。
それで、みんなで大合唱!!
彼らは、「一体になって唄う」という作業を、
さらに、さらに、喜んだ!!!
ひとしきり歌に満足すると、
今度は、サイン攻めが始まる!
誰か1人がそれを思いつくと、みーーーんなマネする!
「僕は、サインするようなスターじゃナイよ?」
って説明しても、彼らにとって、そんなのはお構いナシなんだ。
少なからず、彼らにとって、
僕という人間は、大スターなのだった。
ノートを持っていた子は、ノートにサインすれば済んだのだけど、
紙を持ち合わせない子も、多かった。
すると、帽子やらTシャツに、サインしろとせがんできた。
「親に怒られないのかい!?」
と尋ねても、やっぱり、お構いナシなようだった。
僕は、これまで、
世界各地の十数カ国で歌ってきたけれども、
トルコの西側地域のヒトたちが、一番ノリが良かった。
子どもはもちろんのこと、大人も同様だった。
そういう気質のヒトたちが、この地域には、多いらしい。
彼らは、明るく、優しく、暖かい。
『トルコで見つけたドラゴンボール』