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エピソード5 『トルコで見つけたドラゴンボール』

僕は次に、

イスタンブール観光の目玉とも言える、

ブルーモスクの敷地内に入っていった。


大きなイスラム・モスクの前に、

大きな庭園があるんだ。

広々とした芝生の青さが、美しくて、

大勢のジモティや観光客が、憩いでいるよ。



芝生のそばを歩いていると、

小学生たちの大群に出くわした!

30人か50人か、とにかく大勢だ!

おそらく、社会科見学か何かだったんだろうさ。


彼らは、ギターを背負った東洋人を見つけると、

スターか何かとカンチガイしたのか、

ものスゴイ勢いで、僕を取り囲んだ!

まるで、

逆転サヨナラホームランを打った4番打者みたいな、

ものすごい歓迎っぷりさ!


彼らに促されるままに、

ギターを取り出して、歌を唄った。

彼らは、心の底から喜んでくれた!!!

聞いたコトもナイ言語の、聞いたコトもナイ曲なのに、

そんなコトはお構いナシのようだった。


僕には、さらに秘策があった!

海外放浪用に作った曲で、

サビの部分をみんなで「ラララ♪」と唄うのが、あるのさ。

「コレコレこんなふうに唄うんだよ」

と、カンタンな英語と実演で説明してみると、

思いのほかきちんと、通じていた。


それで、みんなで大合唱!!


彼らは、「一体になって唄う」という作業を、

さらに、さらに、喜んだ!!!



ひとしきり歌に満足すると、

今度は、サイン攻めが始まる!

誰か1人がそれを思いつくと、みーーーんなマネする!

「僕は、サインするようなスターじゃナイよ?」

って説明しても、彼らにとって、そんなのはお構いナシなんだ。

少なからず、彼らにとって、

僕という人間は、大スターなのだった。


ノートを持っていた子は、ノートにサインすれば済んだのだけど、

紙を持ち合わせない子も、多かった。

すると、帽子やらTシャツに、サインしろとせがんできた。

「親に怒られないのかい!?」

と尋ねても、やっぱり、お構いナシなようだった。



僕は、これまで、

世界各地の十数カ国で歌ってきたけれども、

トルコの西側地域のヒトたちが、一番ノリが良かった。

子どもはもちろんのこと、大人も同様だった。

そういう気質のヒトたちが、この地域には、多いらしい。

彼らは、明るく、優しく、暖かい。


『トルコで見つけたドラゴンボール』

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