エピソード５ 『虚像のバンドマン』

エピソード５

すると、

こういう軟派な「ホスト行為」に走らずに、のし上がっていくためには、

何かのオーデションで、優勝したりするしか、無ぇ。

かと言って、

大手のレコード会社のオーディションなんかは、

「デキレース」であることが、多いんだ。

優勝するバンドは、

オーディション主催者の関係者の知人だったり、するんだよ。

まぁ、それなりに実力が無ければ、「物言い」が付くから、

それなりの実力者であることは、間違い無ぇ。

かと言って、

それくらいのレベルのバンドは、ゴロゴロ居るよ。

結局、

ライブハウスにおけるライブってのは、

「腕を磨く」とか、「場数を踏む」とか、

そういうメリットは、有るには有るが、

ある程度の場数を超えちまうと、あんまり意味が無いような気がするよ。

時々、

純粋に、音源で優勝者を選考してくれるオーディションも、

有るには、有る。

しかし、

そういうオーディションで優勝しても、

チョコっと雑誌やラジオに出られるくらいで、

大きな動きは、ほとんど、起きない。

１００万くらいの賞金が貰えることは、多いけども。

『虚像のバンドマン』